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株式会社 日立ソリューションズ・クリエイト

プロジェクトストーリー
「快作モバイル+」
プロジェクトストーリー
「快作モバイル+」
内海 一真 Kazuma Uchiumi
ITプラットフォーム事業部 第2ソリューション本部 第2部
2012年入社 情報工学科
渡辺 修司 Shuji Watanabe
ITプラットフォーム事業部 第2ソリューション本部 第2部 主任技師(課長)
1997年入社 情報工学科

スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末を使い、出先で仕事が完結できるとして評価が高まっている日立ソリューションズ・クリエイトのパッケージソフト「快作モバイル+」。その開発のベースになったのは、これまで社内で培ってきた「モバイル」「セキュリティ」に関する豊富な知識と経験だった。

「快作モバイル+」は、日立ソリューションズ・クリエイトの自社パッケージ製品。タブレットやスマートフォンといったモバイル端末を利用したシステムを、手軽に構築可能なWebアプリケーションの実行基盤。

Webアプリケーションの開発手法で、圏外利用、モバイル機能の利用が可能。「標準Webブラウザ利用」「独自開発アプリ」両者の長所を兼ね備えている。

託されたのは、スマホ時代のビジネス用アプリの開発

モバイル端末のビジネスでの活用、そしてモバイル使用時のセキュリティの確保。これは日立ソリューションズ・クリエイトにとって、長年にわたる技術開発で培った強みのひとつとなっている。

フィーチャーフォン、いわゆるガラケーの時代から、日立ソリューションズ・クリエイトは、ビジネス用アプリケーションを開発・提供してきた。それを実際に担当していたのが、「快作モバイル+」の製品開発でプロジェクトリーダーを務めた渡辺修司である。

「私は2003年から7年ほど、携帯電話メーカーに常駐してプラットフォームの開発や管理を担っていたのですが、この間に携帯電話をビジネスで活用するアプリケーションの開発にも携わりました。ただ画面の小ささや入力方法が限られることなどから広く普及するまでには至らず、マーケットが携帯電話からスマートフォンに移行したことで、開発も終了しました。ところが、このときに蓄積した知見が「快作モバイル+」を生み出す基盤になったのですから、貴重な経験だったのは間違いありません」(渡辺)

ガラケーからスマホへの本格的な移行。そうした環境変化の中で、これまで培ってきたモバイル領域における技術が活かせる製品を生み出すこと。携帯電話メーカーへの常駐から戻った渡辺に与えられたのは、このテーマだった。

携帯電話メーカーで常駐した当初は3人程度だったチームを、技術力を示すことで100人を超える部隊に育て上げた実績が渡辺にはあった。

そうした、自ら未来を切り拓く姿勢への期待もあったのだろう。可能性に溢れるものの先が見通せない、新たな時代を迎えつつあるモバイル市場に向けた新製品の開発が託されたのである。

求める機能は明確。問題はそれをどう実現するか

渡辺が「快作モバイル+」の開発に着手したのは2011年の初め頃。iPhoneの国内リリースが始まったのが2008年7月、同年秋からAndroid搭載のスマホも登場し始めた。2011年は、ガラケーからスマホへの移行が鮮明になりつつある時期だった。

「スマホの急速な普及を見ながら、我々がこれまでガラケー向けに提供してきた、あるいは提供したかったサービスが実現できると考えていました。また2010年にiPadが発売されたのも大きな後押しになりました」(渡辺)

ガラケーの制約の中でビジネス向けアプリの開発に苦闘してきた渡辺にとって、スマホやタブレットといったモバイル端末の進化は心強いものだった。

しかしモバイル環境の2大OSとなったiOSやAndroidの深い知識は、渡辺自身にも社内の技術者にもない。ビジネスの現場でモバイル端末に求められる機能。それをセキュリティ面で担保する技術。これらは自分の経験から見通しが立つ。最大の難関は、「それをモバイルOSでどう実現するか」だった。

「iOSもAndroidも、社内に詳しい技術者はいません。そもそも普及し始めたばかりなのですから。そこで、携帯電話の仕事を一緒にしてきたメンバーや、社内や協力会社の『これは』というメンバーに声をかけてプロジェクトチームを結成しました」 (渡辺)

チーム立ち上げ時のメンバーは14名ほど。自分たちが実装したい機能が進化中の各モバイルOSの中で実現できるのか。実現に道はあるのか。トライアンドエラーを繰り返すしかなく、その検証には2ヵ月を要した。

入社して最初のプロジェクトが「快作モバイル+」

求める機能の実現性を確かめることができた後の開発は比較的順調に進み、「快作モバイル+」は2012年春に完成し、6月から販売が始まった。その少し後、新人研修を終えプロジェクトチームに加わったのが内海一真だった。

「自分のアイデアを具現化する仕事に就きたいと思っていて、入社時からパッケージ製品の開発を希望していました。希望通りの配属にはなったものの最初は何もわからず、設計書やプログラムの中身を見ながら、「快作モバイル+」の全体像をつかむところから始めました」(内海)

販売開始後すぐ、製品のリファインは始まっており、内海はその作業に関わりながら「快作モバイル+」の内容を学んでいく。

このシステムはモバイル端末にインストールするアプリと、そこからの通信を受ける企業内のサーバーで成り立っており、「快作モバイル+」の販売が広がるとともに内海は企業内サーバーの構築を主に担うことになった。2014年にはアプリ側の開発に移り、新たに対応が決まったWindows用アプリの開発に加わる。

「企業側のサーバー構築に携わり、次にモバイル機器に導入するアプリの開発に加わったことで、「快作モバイル+」というシステムの全体像がようやく理解できたと感じました。Windowsはユーザーが操作できる範囲が広く、細かい設定にまで手を加えられるのをセキュリティ的にどう防ぐかが難しいところでした」 (内海)

この難関を乗り越え、内海は「快作モバイル+」プロジェクトにおける欠かせないメンバーに成長したのである。

各事業部門に「モバイル」という新たな武器を提供する

「快作モバイル+」とは何か。一言で言えば、「セキュリティを固めたWebブラウザ」ということになる。基本的に備えているのはカメラ、GPS、暗号化したデータベース、オフライン使用などの機能(リリース時)。
※のちに手書き入力、バーコードリーダー、印刷、外部アプリ連携などの機能が追加される。

企業内のサーバーにつながってアクセスの認証を得た上で、その先にある業務システムと連動して必要な業務を行うことができる。

例えば、建物などの劣化状況をモバイル端末のカメラで撮影し、写真に手描きで注記を加えて報告書にする。タブレット上でお客さま先との契約を完了し契約書の控えをモバイルプリンターで印刷してお客さまのもとに残す。

このように、出先で業務を完結させることが「快作モバイル+」で可能になる。セキュリティの心配をすることなく、使いこなせるのが大きな特長だ。

「競合他社からも同様のモバイルアプリ開発ツールが出てきましたが、iOS・Android・Windowsの3OSに開発ツールではなく、モバイルアプリを提供しているのは「快作モバイル+」だけです。日立グループの中でもモバイルに特化した製品は他になく、我々は独自の存在として常に最新であり、且つ先頭を走り続けなければいけないと思っています」(渡辺)

金融や社会・公共、産業・流通など、実際にお客さまと接している部門に「モバイル」という新たな武器を提供するのが自分たちの役割だと渡辺は認識している。「快作モバイル+」の販売や導入、アフターサービスを各部門に移管していくのが当面の目標。

今のところ製品をよく知る自分たちが導入やアフターサービスに関与することも多いが、「いずれはまた新たな製品開発に集中したい」と、最後に、渡辺は本音を打ち明けてくれた。

* 快作モバイル+は、株式会社日立ソリューションズ・クリエイトの登録商標です。
* その他記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。