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会社間取引強化をめざした一元管理と効率化

株式会社TMJ様 導入事例

お客さま情報

設立年月日:1992年4月1日
所在地(本社):東京都新宿区西新宿7-20-1 住友不動産西新宿ビル
従業員数:494名(2015年3月現在)
URL:https://www.tmj.jp/

インハウスのコールセンターが独立分社化する形で誕生し、現在は専門性を活かしたBPOパートナーとしてクライアントの事業成功を支援し続ける株式会社TMJ。購買の専門部署を持たず、発注から検収までの一元管理ができていなかった同社では、会社間の取引強化を目指して2012年頃より新しく購買システムの導入を検討。2013年、発注購買の機能を持つ5社パッケージシステムを比較検討した結果、約3か月の選定期間でNexus HRCMの採用を決定。約1年の開発期間を経て2014年9月より段階的リリースを進め、同年11月全社での稼働を実現させた。

株式会社TMJ様 導入事例

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導入前

法人内の全部門を対象とした電子決裁システムとしてワークフローを導入

会社間の取引強化を目的に、同社が購買にかかわる新システムの導入を考え始めたのは2012年のこと。購買のための専門部署を設けていない同社では、関係会社への発注はそれぞれの部署や担当者が個別に行い、選定や与信などを含め、会社として統一された管理ルールは存在していなかった。

「もちろん社内稟議はありましたが、どの会社と取引するかの判断はある意味で現場に任され、いちど投資が認められたのちは購買にかかわる証票類を出す部署も出さない部署もあるなど、発注から検収までの一元管理が行われていませんでした。発注書なども各自がエクセルで作成していましたね。(大野氏)」

当時、全社の経営管理基盤の企画・導入を担う経営基盤室の室長として販売、会計、設備、業績の4分野における基盤作りを完成させていた大野氏は、残る課題として購買における業務ルールの整備と新システムの導入に着手。

「部署や個人によってやり方にバラツキのあった購買関係の仕組み(管理方針&ルール)と証票類を統一し一元管理することで、会社間取引の強化を図っていこうと考えました。(大野氏)」

人事総務本部 人材基盤企画室 室長 大野秀和 氏
人事総務本部
人材基盤企画室
室長
大野秀和 氏

選定のプロセス

カスタマイズなしで一括発注・毎月検収ができたのは「Nexus HRCM」

具体的な選定を開始したのは2013年6月頃から。新しく導入する購買システムの条件として同社が最もこだわったのは、支払いにおいて「一括検収」と「毎月検収」の両方ができること。まずは発注購買のためのパッケージシステムをピックアップし5社が候補にあがったが、カスタマイズすることなく「一括検収」と「毎月検収」を叶えるパッケージはNexus HRCMのみであった、と大野氏はいう。

「モノを買う場合はその都度の1回払いで良いのですが、当社のように多くの人材を抱える企業では外部から派遣される方もいらっしゃいますので毎月の支払いが多数発生します。もちろんモノを買っても定期的な保守費用が発生する場合などもありますから、毎月払いができることは購買において大切なポイントだと思っています。(大野氏)」

また購入する物品をマスター登録することなく、柔軟に発注品目を登録できることもNexus HRCMを選んだ大きな理由になったという。購買の専門部署をもたない同社では発注する物品がリスト化されていないため、あらかじめ登録していない商品が発注できないシステムはユーザーにとって使いにくい、との判断だった。 約3か月間でのスピーディな決断の理由は、次のようにまとめられる。

Point1:カスタマイズすることなく「一括検収」「毎月検収」が可能であること Point2:購入する物品を、あらかじめマスター登録する必要がないこと

導入時

柔軟性を持たせるカスタマイズで、業務の効率化を

開発が始まったのは2013年11月頃。同社からは大野氏を中心に法務・コンプライアンス部門、採用稼働部門、経理部門、設備・システム部門などから計6名が参加。日立ソリューションズ・クリエイトからは営業1名、設計2名が同プロジェクトを担当し、要件が固まるまでは毎週1回の定例会を重ねた。

「パッケージとして検討した上で選定したため機能的にはすでにほぼOKだったのですが、購買のワークフローづくりという点にはこだわって、じっくりと時間をかけましたね。日立ソリューションズ・クリエイトさんも、このフェーズで最も苦労されたかと思います。(大野氏)」

機能面のカスタマイズにおいても、同社ならではのワークフローとの合致が求められた。
「たとえば直属の上長だけでなく、別部署の上長を含むグループ権限者が承認をおこなえるようにするなど、発注登録が可能な人、承認が可能な人の範囲を広げていただきました。(大野氏)」
これらワークフローを柔軟にするカスタマイズは、承認のスピードが速まるだけでなく、大量の登録をとりまとめて代行できるようになるなど、発注の効率化が進むことになる。
「発注購買のシステムを使うことは、現場のユーザーにとっては新しい手間が増えること。そこをいかに負担にならないようにするか、という調整には気を遣いましたね。(大野氏)」
開発に要した期間は約1年。2014年9月まずは設備・システム部門から段階的に稼働を進め、11月には予定通り全社的なリリースを迎えた。

導入後の効果

履歴画面で経理効率化、取引強化やコスト削減も視野に

「全社的なリリースから2か月たった現在まで、大きな問題は起きていません。もちろん導入初期は小さな問題が発生するのですが、その都度解決していただき現場も次第に使い慣れてきているようです。いま実感できる効果としては、発注から支払いへのつながりが見えるようになったことが大きいですね。現段階でもっとも恩恵を受けているのは経理でしょうか。(大野氏)」

Nexus HRCM導入前は社内稟議や見積書・発注書が支払いのエビデンスとなっていたが、社内から経理に届く書類に社内稟議や見積書・発注書の添付がない場合はその都度現場へフィードバックを行うなど、少なからず手間が発生していたという。一方導入後は「いつ、だれが、いくらで、どこに発注し、だれが承認したのか」といった購買履歴が画面上で一目瞭然となったため、現場における業務効率のみならず内部監査の観点でも透明化を叶えた。また発注者による自己承認を不可とするカスタマイズを行うなど不正を未然に防止する対策も行ったため、コンプライアンス体制も強化された。

「ほかにも会社全体にかかわる効果で見れば、本来の目的であった会社間取引強化を視野に、分析を行う準備が整ったことも大きいと思います。購買データが蓄積していくことで適正な単価が見えてくるでしょうし、それによって交渉も可能になる。購買システムの導入は、コスト削減に貢献していくものと位置づけています。(大野氏)」

導入後の効果

当社の評価・今後期待すること

「一番良かった点は、無茶な要望に対してもつねに真摯に取り組んでくれたことですね。例えば、わかりにくい設計書やマニュアルをユーザー視点で書き直してほしい、など日立ソリューションズ・クリエイトさんにとっては初めてとなる作業にもご協力いただけましたし、そのことで当初予算をオーバーすることもありませんでした。私たちの要望が商品のクオリティ向上につながる、お互いのスキルアップにつながる、と理解いただけたのが嬉しかったです。(大野氏)」

導入を終えた今、次のステップであるデータ活用、分析についても期待は高まる。
「現状のNexus HRCMにはデータを活用する機能がありませんが、そこはパッケージに付加されたら嬉しい部分ですね。蓄積していくデータをどう抽出して、どう分析するか。パッケージにないのであれば、今後一緒に挑戦していければと思っています。(大野氏)」
また今回のシステムでは業務効率化の一環として大量の発注代行も可能としたが、長期的な視点では同社の購買管理において、何でも「代行」という概念はなくしていきたい、とも語る。
「バックオフィス事業を営む当社では、働く人ひとりひとりが事務処理の実際を体験し、本質を理解し、常に問題意識を持つことこそクライアントサービスの向上につながると考えています。最初から代行ではなく、それぞれが発注して、検収して、支払いまで完結する。業務を理解した後は他の人に代行してもらう、そんな購買管理(他の販売・設備・会計・業績管理についても同様ですが)を我が社として将来的には実現できれば、と個人的には願っています。(大野氏)」


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  • 本文は特定のお客さまでの事例であり、全てのお客さまについて同様の効果が得られるわけではありません。