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働き方を選べる会社が、成長していく理由。
〜キーワードは“社員のわくわく”〜

新型コロナ感染症が5類感染症に移行された昨今、企業における出社率が高まる中で、今後、働き方がどのように変わっていくのか?「働き方改革」のエバンジェリストでもある日立ソリューションズ・伊藤直子さんと、ワークスタイル・イノベーション事業を推進する日立ソリューションズ・クリエイトの三原丈英が、日本のこれからの働き方について語り合います。

  • 三原 丈英

    株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
    執行役員

    1987年、株式会社日立製作所に入社し、ソフトウェア開発に従事。銀行・証券向け基盤ソフトウェアの開発をはじめ、文書管理関連ソリューションや人事総合ソリューションなどの取り纏め、企画に携わる。
    株式会社日立システムアンドサービス(現 株式会社日立ソリューションズ)を経て、2023年から株式会社日立ソリューションズ・クリエイトの執行役員として、ワークスタイル、セキュリティ事業を強力に推進。自ら、ワークスタイル変革を実践中。

  • 伊藤 直子

    株式会社日立ソリューションズ
    経営戦略統括本部 チーフエバンジェリスト

    1992年、株式会社日立中部ソフトウェア(現 株式会社日立ソリューションズ)に入社。システムエンジニアを経て、働き方改革プロジェクトに立ち上げから参画。自社の働き方改革の推進とともに、自社の取り組みを生かしてあらゆる企業にソリューションを提供し、働き方改革を支援している。
    エバンジェリストとして働き方改革について、また、自身のワーキングマザーの経験と女性管理職という立場から、女性活躍支援や企業のダイバーシティについても、講演実績やメディア出演実績を多数持つ。

ハイブリッドワークの“いま”

実は、82%の人が
テレワークの継続を希望
大事な視点は社員が働く環境を
選択できること

伊藤 まずテレワークの現状から話しますと、テレワーク実施率は日本全体で考えると22%*1となっています。実は2020年4月以降で最も低くなっていて、オフィスに人が戻ってきている状況なんですね。ただ一方でテレワークを続けていきたいと考える人は82%*2もいるんです。こういう現状を踏まえて、三原さんは日本の働き方はどうなっていくと思いますか?

三原 確かに出社しましょうという会社は増えていますが、全面的にみんなが出社という動きにはならないでしょうね。出社率を決めて出社する人、業務や自身の状況に合わせて随時選択する人、基本的には在宅勤務で必要なときだけ出社する人など、多様な選択ができる環境に向かっていくのではないでしょうか。結局、会社の方が働きやすい人は会社に来ればいいし、子育てや介護などの事情を抱えた人、特段の理由はないけれど自宅の方が効率的に働ける人は自宅で働けばいいと思います。

伊藤 おっしゃる通りですね。どこで仕事をするかは、社員自身が選択できるといいと私も思います。社員が自立して働くことができるかどうかは、とても大事な視点だと感じました。

日立ソリューションズ・
クリエイトにおける
ハイブリッドワーク

在宅率60%で、
なぜ業績が向上しているのか?

伊藤 日立ソリューションズ・クリエイトはハイブリッドワークを推進していますが、現状の在宅比率はどのくらいでしょうか?

三原 会社全体としての在宅率は約60%ですね。部署によって違いがあると思います。お客さまと一緒に仕事をする部署ですと出社は多めですが、自社内で完結できる部署の場合は80%くらいです。

伊藤 日立ソリューションズ・クリエイトは、コロナ禍にあっても毎年、業績を伸ばされていますよね。これはハイブリッドワークの影響が良い形で業績に現れているということなのでしょうか?

三原 ハイブリッドワークは、直接的には業績に関係ありません。ただ、ハイブリッドワークでパフォーマンスが上がっているということは言えるかと思います。通勤時間のような無駄な時間がなくなることで、身体的な負担も軽減され、時間の有効活用の度合いも高まって、集中して仕事ができるということもあると思いますよ。

個人に選択の裁量があることが、
モチベーションの向上に

伊藤 自分が選択した場所で働ける、自由度が高まることは、確実に個々人のモチベーションアップにつながると思います。会社や自宅、サテライトオフィスや外出先など、どこで仕事をするかを会社が決めるのではなくて、自分で選択できる裁量があることがモチベーションを高めるためには重要ですよね。

三原 私自身、コロナ禍を経験して、自分と仕事の関係性を見直しました。これは私だけじゃないと思いますよ。通勤に時間をかけて出社して8時間、9時間拘束されて、また時間をかけて家に帰る。その後、限られた時間で家事をする。そんなことから解放されました。

伊藤 少し個人的なお話を伺いたいのですが、三原さんのテレワーク体験において良かったことや、悪かったことをお聞きしてもよろしいでしょうか?

三原 良かったことは生活の重みが増したというか、自分の健康を気遣うようになりました。ウォーキングを始めましたし、睡眠時間も増えました。毎日オフィスに出社していた頃は、後回しになっていたことですね。
あと、悪かったことというほどではないですが、いきなりリモートになった時は、「ちょっと教えて!」ができなくなったのが困りましたね。若手社員はホッとしたかもしれませんが(笑)。

伊藤 そうですよね。出社をしていたら仕方がないと思って諦めてきたことが結構ありましたよね。

三原 諦めていたことができるようになると、仕事に対するモチベーションが上がるし、生産性も上がるんです。よく寝ると集中力も上がりますしね(笑)。

ハイブリッドワークのこれから

会社も仕事も、
愛してもらえる環境づくりを

伊藤 柔軟な働き方のできるハイブリッドワークですが、一方で社員のエンゲージメントに悩む会社もありますよね。日立ソリューションズ・クリエイトでは社員の幸せやエンゲージメントについては、どう考えていらっしゃいますか?

三原 I T企業にとって、人は財産なんですね。人が何よりも大事だし、人が会社を愛して、みんなで一緒に頑張ることが大事。だから社員のエンゲージメントを高めるようなことは、全社をあげてやってきています。

伊藤 コロナ禍に「Happiness大作戦!!」という社員の幸せを追求する施策をやられていたのが印象的でした。

三原 元々コミュニケーションや風通しを良くしようという社風だったのもあるかもしれません。そのおかげで、コロナ禍にもかかわらず、エンゲージメント率は右肩上がりです。ハイブリッドワークという社員が働きやすい環境を提供したということもあるでしょうし、社員発での新事業創生プロジェクトを立ち上げたりもしています。仕事に対して、のめり込める環境を作ろうという意識は強いですね。

出社とリモートで
不足していることは補い合えばいい

伊藤 若い社員たちはどのように感じているのでしょうか。ハイブリッドワークや働き方について、実際にどんな声が聞こえてきていますか?

三原 コロナ禍に入社した社員たちは、ハイブリッドワークは、あって当然と思っているでしょうね。職種にもよりますが、その日にどう働くかは自分で決められます。エンゲージメントも高まっているし、業績も良い形で上がっている。だからハイブリッドワークをやめるという選択肢がないですね。ただ、社内のコミュニケーションを考えると、たまには会社に来てみんなで話せるようなきっかけは提供しておきたいですよね。中堅、ベテラン社員にはこれまでの会社生活で培った人間関係がありますが、特に若い人たちはこうした人間関係を構築している途上にあるので、現時点で十分な人間関係ができているとはいえないです。だから若い人たちには“人間関係の貯金”をできるだけ多く作ってあげたい。リモートでも困ったことがあれば気軽に相談できる環境を提供したいですね。リモートで不足しているものを出社してのリアルなコミュニケーションで補いながらやれればいいと思っています。

社員の幸せを考える、
それがパフォーマンスにつながる

伊藤 社員の幸福度をどう考えるかが、昔と違ってきている気がします。チャレンジできる環境をつくるとか、昔から変わらないこともありますが、コミュニケーションを活性化したり、対話の時間を増やしたりとか、そういうことがモチベーションを高める傾向にあると思うのですが。

三原 みんながオフィスにいた頃は当然だったから気づかなかったけれど、今その重要性に改めて気づいたということでしょうね。日立ソリューションズグループは伝統的に社員間のコミュニケーション活性化に取り組んでいたので、ハイブリッドワークになってもモチベーションを高めることができたのかもしれません。

伊藤 社員の幸せとか、やりがいを追求する社風・方針がベースにあり、そこに働き方の変化を踏まえて、より幸せなやり方を追求し続けているということですね。

三原 在宅勤務が本格的でなかった頃のワーク・ライフ・バランスは、プライベートと仕事(ワーク)のバランスを取りなさいというものでした。コロナ禍で在宅勤務をするようになって、ライフにワークが包含されるようになった。つまり、ワークとライフが対立する軸ではないと感じてきました。

伊藤 確かにそうですね。ワークとプライベートなら分かるけど、ライフは人生なので、その中にワークが含まれるのは当然。私も在宅が多くなって、人生の中でワークをどのように位置付けるかという発想になってきています。

三原 ライフの中にワークを捉えると、ワークは給料をもらって生活のためのものでもあるし、自己実現のためのものでもあるし、社会貢献のためのものでもあると思います。結婚や子育てのようなライフイベントや親の介護が必要な時など、個人の置かれた状況に応じてライフの中のワークの位置付けは変わってきますよね。

伊藤 ハイブリッドワークで働く場所をどうするかだけではなく、社員の考えるワークをいかに支えていくかが重要なのかもしれませんね。

三原 そうですね。ワークとライフを切り離して考えることはできないので、社員の日々の暮らしの中でのワークをどうやって充実させるか、という考え方にシフトすることも大切だと思います。それが、結果として仕事のパフォーマンスにつながるわけですから。

伊藤 その考え方はとても分かりやすいです。

これからの働き方に欠かせない視点、それは“わくわくして働き続ける”こと

三原 ハイブリッドワークの先に何をやるのかというと、それは社員エンゲージメントを高めることだと思います。社員がどれだけわくわくして働けるかという方向にシフトしていく気がしています。これは経営視点で見ても理に適っていて、社員がわくわくして働き続けてくれることは、優秀な人財を繋ぎとめることにもつながります。そして豊かな暮らしの中で得た新たな価値観を、会社に還元してくれることにもなる。何より、高いパフォーマンスを社員が発揮してくれることで、事業の成長につながりますから。

伊藤 多様で柔軟な働き方が選択できることで、暮らし(ライフ)と仕事(ワーク)の双方が充実し、人生の生きがいや喜びが増えるといいですよね。結果として事業の成長に与える影響も大きい。ハイブリッドワークでわくわくを増やす。それが、これからの働き方のめざす方向だと確信しました。本日はありがとうございました。

三原 ありがとうございました。

出典

  • *1 )パーソル総合研究所 第八回・テレワークに関する調査/就業時マスク調査
    • (1)正社員のテレワーク実施率22.2%
      2022年同時期の25.6%から微減
      (-3.4ポイント)
      2020年4月以降で最も低くなった。
  • *2 )パーソル総合研究所 第八回・テレワークに関する調査/就業時マスク調査
    • (2)テレワーク実施者のテレワーク継続
      意向は過去最高の81.9%
      2020年4月以降で
      過去最高の結果となった。