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タイミングや注意点は? 基幹システムの更改

その名の通り、企業にとって中心であり、主要となるシステムである基幹システムは、当然更改に伴うリスクも大きいものです。しかし、レガシーシステムとも呼ばれるような古い基幹システムを使い続けて更改を先延ばしにしてしまうと、将来的に大きな経済的損失が生じてしまうことをご存知でしょうか。
ここでは、基幹システムの更改タイミングや注意点、成功させるためのコツについて説明します。

  1. 基幹システムの更改のタイミング
  2. そもそも基幹システムの更改はなぜ必要なのか
  3. 基幹システムの更改における注意点
  4. 基幹システムの更改で成功するためのコツ

基幹システムの更改のタイミング

「2025年の崖」という言葉をご存じでしょうか。これは、経済産業省による「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」に記された言葉です。
このレポートでは、既存システムの更改タイミングを逃したまま2025年に至ると、それ以降最大12兆円/年もの経済損失が生じる可能性を示唆しています。基幹システムの更改はリスクを伴い、大きな投資も必要となりますが、最新の技術に合わせた更改を行わないでいると、もっと大きなリスクに直面してしまうというわけです。
なぜそれほどの損失になるのかというと、古いシステムの維持費用の高騰、競争力の低下、セキュリティリスク増加のる可能性があるからです。
逆にいうと、2025年までの早い段階で基幹システムが更改できれば、システムの維持費用を低く抑え、競争力を高め、セキュリティも強化できることになります。そしてシステムが新しくなれば、最先端の技術を扱う人材確保もしやすくなり、ビジネスの新しい可能性を見出すことも可能になるかもしれません。

そもそも基幹システムの更改はなぜ必要なのか

それでは、基幹システムの更改がなぜ必要なのかについて詳しく見ていきましょう。
基幹システムの更改が必要といわれる理由に「基幹システムの老朽化」があります。基幹システムが老朽化してしまうと、新しい技術を取り入れることが難しくなることはもちろん、運用管理にコストがかかります。お金がかかる上に人的リソースも必要となり、本来進めたいプロジェクトを保留にしないといけない原因にもなってしまうでしょう。

また、従来の基幹システムは部門特化型システムの導入が進んでおり、部門ごとに適したシステムを扱っている企業も多くあるでしょう。当時は画期的なシステムだったかもしれませんが、インターネットの普及やテクノロジーの進歩により、分断化されたシステムにデータを2、3回入力しなければならず、データの信頼性、可用性が失われる、生産性が低下するといった問題につながります。しかし、システムを現在の環境に合わせて刷新することによりブラックボックス化された状態が解消されると、データの活用が容易になり、生産性の向上も期待できます。

基幹システムの更改における注意点

上記のような理由から、基幹システムの更改は必要であるといえるでしょう。しかし、基幹システムを更改する際にはいくつか注意点があります。まず注意したいのが「現行の基幹システムに対する調査の徹底」です。前述したように、基幹システムの中には分断化されているものや構造が複雑化しているものもあります。そのため、しっかり調査を行わないことで必要な機能が不足してしまうといった問題につながるでしょう。

また、基幹システムはただ最新の状態にすれば良いわけではありません。更改前に将来的な経営方針や目標などの確認を行うことも重要です。基幹システムを更改することでどのような効果が見込めるのか、現行の業務や将来の業務への影響に問題はないか、顧客のニーズに応えられそうかなど、検討すべきことは多くあります。これらの確認を怠ると、更改後に本来得られたはずの効果を十分に得られない可能性があります。

そして、実際に基幹システムを更改する場合はしっかり更改計画を立てましょう。計画通りに更改が進まないと、最悪の場合プロジェクトが停滞してしまい、経済的損失や余計なコストがかかる可能性も考えられます。

基幹システムの更改で成功するためのコツ

これらの注意点を踏まえた上で、更改を成功させるコツについて説明します。まず大切なことが「認識のすり合わせ」です。更改を検討している段階から、新たなシステムの構築に直接携わる情報システム部や決定権を持つ経営層、基幹システムを実際に使用する業務部門などでコミュニケーションを取り、関係性を築くと良いでしょう。早い段階からお互いの認識をすり合わせることで、余計な手戻りや認識齟齬を減らすことができます。

また、基幹システムの更改は計画的に進めることも重要です。企業の業務に大きくかかわる基幹システムは、更改が予定通りに進まないことで現行の業務や将来行う予定であった業務に支障をきたす可能性があります。

基幹システムの更改を行わないと、「2025年の崖」としても提示されている通り、経済的な損失や競争力の低下など企業にとってマイナスの効果を生み出す可能性が高いです。そのため、古い基幹システムを使い続けている企業は、更改を検討してみるべきだといえるでしょう。企業の要である基幹システムの更改は全社の一大プロジェクトです。計画的に進めましょう。

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