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リファクタリングとは? 目的やメリット・デメリットなど

リファクタリングとは、ソフトウェア開発で行う作業の一つです。リファクタリングを行うと、開発を効率化したり、バグが発生するリスクを抑えたりできます。
この記事では、リファクタリングの目的やメリット・デメリット、リファクタリングを行う際の注意点について解説します。

  1. リファクタリングとは
  2. リファクタリングの目的
  3. リファクタリングのメリット
  4. リファクタリングのデメリットと注意点

リファクタリングとは

リファクタリングとは、ソフトウェア開発において、プログラムの動作を保ったままソースコードを改善する作業のことです。ソフトウェアに新たな機能を追加する作業や、問題点を解決するバグ修正とは異なり、リファクタリングでは外から見た挙動は変わりません。ソフトウェアの機能はそのままで、プログラムの書き方をより分かりやすくすることが、リファクタリングの長所です。

リファクタリングの目的

リファクタリングの目的として、ソフトウェア設計の向上が挙げられます。開発が完了した時点では、ソフトウェアは正しく動作していてもソースコードが分かりにくい場合があります。開発者の視点から見て、より良いソフトウェア設計に作り替えることがリファクタリングの目的です。

また、リファクタリングを行うことで、機能追加やバグ修正によるコードの複雑化も防止できます。リファクタリングでソースコードを分かりやすく整理しておけば、ソフトウェアの劣化を防ぐことが可能です。

リファクタリングのメリット

ソフトウェア開発において、リファクタリングを行うことで得られるメリットは次のとおりです。

トラブル発生時に対応の迅速化

ソフトウェアのリリース後にトラブルが発生した際は、迅速に対応する必要があります。しかし、ソースコードが分かりにくい状態では、トラブルの原因をすぐに特定することが困難です。リファクタリングを行っておけば、ソースコード内のどこを修正すればよいかが分かりやすく、対応を迅速化できます。

ソースコードが理解しやすくなる

複雑なソースコードは、後から読んでもどのような機能が実装されているか分かりにくい場合があります。特に、複数名のエンジニアが開発に携わっていると、自分以外が書いたコードを読み解くのに時間がかかります。リファクタリングを行えば、プログラムに使用されている変数名の変更やネスト構造の簡略化によって、ソースコードを理解しやすくすることが可能です。

開発効率の向上

開発の工程にリファクタリングを取り入れると、開発効率を向上できます。ソースコードが理解しやすくなるため、書かれている内容を理解する手間がかかりません。また、新たな機能を追加する際にも、ソースコードの変更すべき箇所をすぐに特定し改良に取り組めます。

リファクタリングのデメリットと注意点

リファクタリングにはデメリットもあるため、取り組む前に把握しておくことが重要です。リファクタリングのデメリットや注意点として次のような項目が挙げられます。

時間とリソースのコストが発生する

リファクタリングでソースコード分かりやすくするためには、ある程度の時間とリソースが必要です。そのため、短期的に見るとコストが発生するというデメリットが生じます。ただし、リファクタリングはバグの抑制や開発効率の向上につながるため、長期的な視点ではコストを抑えることが可能です。プロジェクト全体として得られる効果を考慮して、リファクタリングにどの程度の時間とリソースをかけるかを吟味する必要があります。

繰り返しテストする必要がある

リファクタリングの工程では、繰り返しテストを行い、ソフトウェアの挙動に問題がないか確認することが重要です。少しずつ変更を加えてテストすれば、ソースコードの変更によってバグが発生してしまうリスクを抑えられます。テストを簡単に実行できる環境を用意した上でリファクタリングに取り組むことが大切です。

バックアップの重要性が高くなる

リファクタリングでソースコードに変更を加える場合、バックアップの重要性が高くなります。バックアップをこまめにとっておくことで、作業中に不具合が出てしまった時に元の状態に戻せます。バージョン管理ツールなどを用いて、ソースコードに加えた変更履歴を残しておくことがリファクタリングで注意すべきポイントです。

リファクタリングはソフトウェア開発における重要なプロセスです。リファクタリングによってソースコードを整理しておくことで、開発者から見て分かりやすくなり、トラブル時の対応を迅速化できます。ソースコードの品質と開発効率を向上させるため、リファクタリングを賢く取り入れましょう。

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