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IoT

IoTで活用されるセンサーとは? 種類や特長を徹底解説

IoTには実に豊富な種類のセンサーが利用されています。対象物の動きや変化を検知して何らかのアクションを起こすことは、IoTの重要な機能の一つです。けれども、ではどのようなセンサーがあるのかと問われると、意外に知らないものが多いのではないでしょうか。
IoTでよく活用されるセンサーの種類や特徴について解説していきます。

  1. センサーとは
  2. IoTとセンサーで実現できること
  3. IoTで活用されるセンサーの種類と特徴

センサーとは

センサーとは、状態を計測したい対象に関する情報を収集し、機械や人間が扱いやすい信号に置き換える機能を持った装置や素子のことを指します。日本語では「感知器」などと訳されます。

人間や生物には視覚や聴覚などの感覚器官が備わっていて、それらによって知覚した情報を脳で分析し判断して、対応しています。それと同じように、機械も制御や処理をするための情報をセンサーから得ることができます。機械がセンサーによって得られる情報には温度、湿度、速度、加速度、磁力など多種多様な種類があり、人間の五感よりも幅広く精緻だといえるかもしれません。

センサーによって得た情報の多くは人間が直接読み取るか、判読可能なデータに変換して利用されます。しかし、一方で情報を電気信号などの機械のみが読み取れるものに変換し、人間の関知しないシステム内で処理されるケースも多くあります。

IoTとセンサーで実現できること

センサーはこれまで実にさまざまな分野で活用されてきました。身近なところでは自動車、家電製品、防犯装置、警報機、スマートフォンなどが挙げられます。光や温度などの物理的変化を計測するものだけではなく、人が指で触れていることを感知するタッチパネルや、顔認識や動体認識ができるカメラなどもセンサーの一種です。

産業ロボットにも必ずセンサーが備えられています。電圧センサー、電流センサー、温度センサー、加速度センサーなどがその代表です。そして、IoT製品の開発においてもセンサーは必須のアイテムであり、IoTを構成する重要な要素の一つです。IoT機器とIoTシステムは、センサーがあることによって初めて、対象からの情報を得ることができます。

たとえば、自動的に温度管理・調整をするIoTエアコンには、周囲の温度や湿度を感知するセンサーが搭載されています。工場内で機械設備の稼働情報を収集するIoTシステムには電流センサーなどが組み込まれています。

IoTにセンサーを組み合わせることで、対象のリアルタイム監視、リモート操作、データの収集と蓄積をもとにした解析、収集したデータのビッグデータ化などが可能になります。

IoTで活用されるセンサーの種類と特徴

IoTではどのようなセンサーが活用されているのか、具体的にその種類と特徴を見ていきましょう。

温度センサー

温度センサーは、対象物や対象空間の温度を計測します。食品や食材を適切な温度で管理する、機械の異常な温度上昇を監視するなど、温度センサーの活用範囲は多岐にわたります。温度センサーにはサーミスター、熱電対、測温抵抗体、バイメタル、圧力温度計、放射温度計など多種多様なセンサーが存在します。

湿度センサー

湿度センサーは、大気中や任意の空間内に含まれる水蒸気の比率を計測します。エアコン、冷蔵庫、空気清浄機などの身近なものから、ビルやホテルの空調管理、工場内の特定箇所の湿度調整に使用されるものもあります。電子式の湿度センサーには抵抗式と容量式の2種類があり、いずれも乾湿材料と呼ばれる物質を用いて、ドライ、ウェットの度合いを電気信号に変換します。

加速度センサー

加速度センサーは、単位時間あたりの速度を表す加速度を測定します。加速度を測定すると、物体の傾きや振動などの情報を計測できます。加速度センサーにも多くの種類があり、たとえばMEMS(Micro Electro Mechanical System)と呼ばれる技術を用いた静電容量式などが知られています。

GPSセンサー

GPSセンサーは、全世界的な位置測位システムであるGPSを使ったセンサーです。スマートフォンにも搭載されているのでなじみがあるのではないでしょうか。GPSは約2万km上空を周回しているGPS衛星、地上管制、GPS受信機という3つの要素によって対象の位置を特定します。

ジャイロセンサー

ジャイロセンサーは、角度を検出するセンサーです。加速度センサーとともに、慣性センサーの一種でもあります。ジャイロセンサーは、加速度センサーでは計測できない、回転する動きを検知できます。スマートフォンやデジタルカメラ(手ブレ補正用)などにも使用されています。

圧力センサー

圧力センサーは、圧力を検知するセンサーです。シリコンチップの隔膜に加わる圧力を膜の変形として検出し、電気信号に変換するといった原理で圧力を計測します。給湯器、エアコン、洗濯機、食洗機、空圧計・水圧計・油圧計などさまざまな用途があります。

光センサー

光センサーは、光を検知するセンサーです。紫外線、可視光、赤外線など対象とする光の種類別にセンサーが存在します。物質に光を当てると光電効果と呼ばれる電子の変化が起こります。光センサーはこの光電効果を利用して光を検知します。最も単純な光センサーは、光が遮断されたかどうかを検知するだけのもので、自動ドアの人感センサーなどが該当します。

イメージセンサー

イメージセンサーは、光を電気信号に変換し、像を取得します。イメージセンサーは高度な光センサーの一種でもあります。その代表例はデジタルカメラやデジタルビデオカメラです。デジカメはCMOSやCCDといった撮像素子を介して光を電気信号に変換し、画像を得ています。

距離センサー

距離センサーは、距離を測ります。距離センサーには大きく分けて、光学、電波、超音波をそれぞれ使用する3種類があります。測定対象物に光などを照射し、反射されて戻ってきた光を評価し、距離に換算して出力するというのがその原理です。

振動センサー

振動センサーは、振動を検知するセンサーです。振動センサーは、対象とする物体の変位、速度、加速度を測定できます。

音センサー

音センサーは、音の振動を検知するセンサーです。音の検出を行うセンサーはマイクロホンと呼ばれます。音の大きさや音の高さなどを判別できます。声をテキストに変換する音声認識技術などと組み合わせて、音声入力や音声操作などに利用されています。

センサーの技術や性能は今後もさらに進化し、センサーを組み込んだIoTの活用範囲も広がっていくでしょう。IoTとセンサーの新しい組み合わせが、これまでになかったような製品やビジネスチャンスを生み出す可能性もあります。センサーとIoTのこれからの動きに注目してください。

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