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5Gが普及するとWi-Fiは不要になるのか

5Gのサービス開始まで、そろそろカウントダウンの前段階というくらいになってきました。4Gとは比べ物にならないほどのスピードを誇る5Gが普及したら、現在便利に使っているWi-Fiはどうなってしまうのでしょうか。
5Gだけがあれば事足りるという時代がやって来るのか、それともWi-Fiも生き残るのか、少し先のことを展望してみましょう。

  1. 4Gで重宝されているWi-Fiは5Gでは不要?
  2. 5GとWi-Fiの通信速度
  3. 5Gはいつごろ普及し料金はどのように設定されるのか
  4. 5Gが普及するまではWi-Fiも重要

4Gで重宝されているWi-Fiは5Gでは不要?

Wi-Fiは今、生活の中のさまざまな場所で使われています。自宅でWi-Fiを便利に使っているという人は多いでしょう。会社内やお店、ホテル、空港、その他の公共の場所も同様です。海外でもスマートフォンにWi-Fiがつながれば、それだけでひとまず安心するという人も多いはずです。

なぜこんなにWi-Fiが普及したのかを考えてみると、ワイヤレスでインターネットを使いたいとき、モバイルデータ通信で通信料金を抑えるには、通信速度制限がかからないよう所定のモバイルデータ使用量を守らなければならないことが挙げられます。

要は、4Gでスピードは十分でも、動画を見続けたりしていればデータ量が上限を超えてしまう、ならばWi-Fiを活用してデータ量を気にせず通信をするという考え方が一般化しているわけです。

しかし、5Gが普及すれば4Gよりも超高速・超低遅延・大容量・多数同時接続というモバイルデータ通信環境が実現します。すると、データ量の上限設定とそれに伴う速度制限は今後、撤廃される可能性があります。

5Gが普及すれば、スマホもノートパソコンなどのモバイル機器も5Gのみを使うようになり、Wi-Fiは過去のものという時代が訪れるかもしれません。

5GとWi-Fiの通信速度

具体的に、5Gのスピードはいかほどのものなのでしょうか。現在のWi-Fiと比べてももっと速いのか、同程度なのかというのも気になるところです。

5Gの理論値最大速度は実に20Gbps(ギガビット毎秒)です。日本で現在、最も高速な4GサービスとされているNTTドコモの「PREMIUM 4G」の理論値最大速度は1288Mbps(1Gbps超)。もしも5Gの20Gbpsが現実化すれば、いうまでもなく桁違いの速さということになります。

もっとも、問題は実効速度がどれくらいかです。有線の光回線は1Gbps、2Gbpsといわれていますが、現在のところ下りの平均速度は85Mbps程度です。エリアや時間帯などの条件が良くて300Mbpsくらい出ていればかなり速いと感じるでしょう。

5Gの実効速度のデータはあるのでしょうか。アメリカでは通信事業者のベライゾンがシカゴとミネアポリスで、「5G Ultra Wideband」という5G通信サービスを開始しました。参考までにという数字ですが、2019年4月、同サービスのエリア内で計測された5Gの実効速度は762Mbpsだったとのことです。ベライゾンの広報担当者が自らのTwitterアカウントで、速度計測アプリによるダウンロード速度を公開して話題になりました。762Mbpsでも、これが実効速度なら光回線に頼らなくてもよいレベルです。

一方、Wi-Fiにも複数の規格があり、規格によって通信速度が異なります。現在のWi-Fiルーターの主流は、2016年以降に発売されたiPhone(iPhone7以降)や多くのAndroidスマホも対応している「IEEE802.11ac(11ac)」です。理論値最大速度は6.9Gbpsとなっています。
そして現在、最も高速なWi-Fi規格は「IEEE 802.11ax(11ax)」です。その理論値最大速度は9.6Gbps。これまでのWi-Fiと違い、実効速度にフォーカスした規格だともいわれています。スピードだけに絞れば、5Gと11axはほぼ同等の拮抗した性能を持つ通信方式だといえます。

5Gはいつごろ普及し料金はどのように設定されるのか

5Gは、日本では2020年のサービスインをめざして開発が進められていましたが、1年前倒しされて2019年から順次サービスが開始されることになりました。まずは2019年秋に開催されるラグビーのワールドカップ日本大会で5G端末の無料貸し出しなどが行われてプレサービスがスタート。東京オリンピック目前の2020年春には商用サービスが始まる見込みです。

ただし、当初は首都圏のみが対応エリアとなるでしょう。通信インフラが整備され、利用範囲が広がっていくにはしばらく時間がかかりそうです。5G対応のスマホも2020年以降順次発売されることになるでしょう。最初はAndroid端末、その後、iPhoneも続くという順番になるといわれています。

料金について語るのは時期尚早でしょう。アメリカのベライゾンの場合は通常料金にプラス100ドルという料金設定でしたが、これが参考になるかも難しいところです。4Gと同じ価格帯で利用できる可能性も、もちろんあるでしょう。

5Gが普及するまではWi-Fiも重要

5Gの実体は今ようやく少し見えてきたところです。現在の4Gと同じように、誰もが当たり前のように5Gを利用するようになるには数年の時間がかかるでしょう。少なくとも、それまではWi-Fiも大いに利用されるはずです。

仮に5Gの便利さがWi-Fiを凌駕したとしても、Wi-Fiには5Gとは別の用途が広がるかもしれません。また、現在Wi-Fiを使っていて、とくに不満は感じていないという層も少なくないはずです。すぐにWi-Fiが不要になるとは考えにくい、というのが大方の予想です。

5Gがリリースされても、しばらくはWi-Fiは重要なものであり続けるでしょう。その後、5Gサービスが低価格で提供され、誰もが利用できる世の中になれば、Wi-Fi不要論も現実味を増してくるかもしれません。いずれにしろ、私たちを取り巻く通信環境が大きな転換期を迎えていることは確かです。

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