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企業の人手不足解消のカギ! 多様化する雇用制度と勤務形態

人手不足に悩む企業にとって、今、必要なのは働く環境の改善ではないでしょうか。多様な雇用制度や勤務形態を採用することが、戦力となる人材を確保、維持するための有効な手段となるはずです。企業が注目すべき、人手不足解消の決め手となる方法について解説します。

  1. 人手不足が深刻化…解消するためには何をすべき?
  2. 人手不足解消のポイントは? 優秀な人材を確保する方法
  3. 人手不足解消のために取り入れたい制度
  4. 人手不足解消のための外国籍人材の採用
  5. 育児や介護のための退職者を出さない柔軟な勤務形態

人手不足が深刻化…解消するためには何をすべき?

人手不足が深刻化すると従業員への負荷が大きくなり、その結果、従業員の定着率が低下していきます。つまり、どのような業界でも企業が最も避けなければならないのは、退職者が増えてさらに人手不足が悪化するという負のスパイラルに陥ることです。

これを回避するには何をすれば良いのでしょうか。第一に考えられるのは社内の労働生産性の向上と業務効率化です。その実現のためには組織編成や業務フローの見直し、優れた社内情報システムやツールの導入といったことが考えられます。しかしそれらを行うためには、大前提として戦力となる人材が一定数いなければなりません。結局、最大の焦点は優秀な人材をいかに多く確保して育成し、その人材を維持できるかということに尽きます。

しかし現実問題として、これから社員を大量に採用して教育するためにリソースを割くような余裕はないというケースも考えられます。そうした状況下では即戦力となる新たな人材の採用に活路を見出さざるを得ません。しかし求人に対して応募がない、応募はあったが自社にマッチせず採用できないなどのケースも想定し対策を練る必要があるでしょう。

人手不足解消のポイントは? 優秀な人材を確保する方法

空前の売り手市場とも言われる昨今の中途採用において、優れた人材を確保するのは簡単なことではありません。そこで人手不足解消の対策としてヒントとなるのが、定年退職したシニア人材や育児などを理由に退職した元従業員の再雇用、そして外国人の積極的な採用です。こうした人たちを確保するには、そのための制度を設けると良いでしょう。有効な制度について次項で紹介します。

人手不足解消のために取り入れたい制度

ではまず、退職者の再雇用や、継続勤務を目的とした制度にはどのようなものがあるか、例を挙げながら内容を確認していきましょう。

1.シニア人材の経験や知識を生かす「エルダー社員制度」

エルダーとは先輩や年長者という意味です。ここで言うエルダー社員制度は定年を迎えた社員を引き続き雇用する制度で、雇用を希望するシニア人材を積極的に受け入れるものです。シニア人材にはこれまでの経験や知識があり、現場の仕事に復帰してもらえれば大きな戦力となる可能性があります。

エルダー社員制度には定年を迎えて一旦、退職した人を再雇用するケースもありますが、定年到達後も退職という形を取らないまま継続して雇用する継続雇用制度を採用している企業もあります。
例えば、雇用形態は正社員ではなく契約社員で雇用期間は1年、業務遂行能力や健康状態などを確認しながら契約更新を行うといった事例が代表的です。またシニア人材を活用している企業の多くが、勤務日数や時間は本人の希望によって柔軟に選べるような仕組みを作っています。

2.即戦力を確保する「ジョブ・リターン制度」

ジョブ・リターン制度は、結婚、出産、介護、あるいはボランティア活動への参加などを理由に退職した元従業員を、本人の希望によって再雇用する制度です。大手企業を中心にさまざまな導入事例があり、その多くは女性を対象としているか、利用者の大半が女性となっていますが、男性の利用も増えています。

従業員にとってこの制度の良いところは、何らかの事情で会社を辞めたとしても、再び戻れるという安心感があることです。企業側にとっては従業員のワークライフバランスを尊重することで、一時的に抜けた即戦力を再び確保できるというメリットがあります。

3.女性従業員の復帰を支援する「配偶者同行休業制度」

配偶者が遠方に転勤することになり、それに同行する場合、退職せず休職とする制度が、配偶者同行休業制度です。既婚女性の退職理由として、結婚・出産以外に夫の転勤が多い中、女性の職場復帰、勤務継続をサポートするものです。
休職ではなく、転勤先のエリアに妻の勤める会社の支店があれば、そこに転勤することを認めるパターンもあります。
また、配偶者同行休業制度となっていることからもわかるとおり、妻の転勤に夫が同行する場合もあります。

人手不足解消のための外国籍人材の採用

退職者の再雇用以外には、外国籍の人材の採用も考えられます。

優秀な人材であれば国籍を問わないという企業は多く、外国籍の人材への需要は高まっています。とくに英語をはじめとする語学力を有し、グローバルな視点を持ち、質の高い教育を受けた海外の優秀な留学生は、海外展開などを図る企業にとって即戦力以上の意味を持つこともあります。

外国籍の人材を採用するためには、在留資格、税金、保険、年金などの行政制度面を含む日本の生活に適応するためのサポートが不可欠です。また、日本のビジネスマナーや社内コミュニケーションなどに関わる助言や配慮も必要でしょう。
これらは国内の人材を採用する場合とは異なる部分ですが、現状の人事制度で対応できないわけではありません。外国籍の従業員も企業側の人間も、お互いに学び合うという意識で歩み寄るような姿勢が重要となるでしょう。

育児や介護のための退職者を出さない柔軟な勤務形態

上記以外にも、「退職者を出さない」ための環境づくりも忘れてはなりません。育児や介護などの時間が必要な従業員に対しては時短勤務など状況に合った働き方を選べる制度を設け、なおかつその制度が利用しやすいような社内の空気を作り上げるようにすべきです。自宅などで働けるリモートワークなどの勤務形態の導入も検討してみましょう。

最適なワークライフバランスは個人によって異なります。多くの人材を受け入れ、快適に働けるような会社にすることが、人手不足を解消するためのカギとなるでしょう。

現在、多くの企業が人手不足を課題としています。その解消のために、シニア、女性、外国人、そしてそれ以外にも多様な価値観やライフスタイルを持つ人たちが活躍できる環境づくりを進めてみてはいかがでしょうか。

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