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セキュリティ

OSコマンドインジェクションとは? 仕組みや企業に必要な対策など

WebサイトやWebアプリケーションを運営する企業にとって、サイバー攻撃による情報漏えいやシステムダウンは大きな脅威です。その中でも「OSコマンドインジェクション」と呼ばれる攻撃手法には注意が必要です。OSコマンドインジェクションの適切な対策を怠ると、深刻な被害につながりかねません。
この記事では、OSコマンドインジェクションの基礎知識から具体的な対策まで解説します。

  1. OSコマンドインジェクションの基礎知識
  2. OSコマンドインジェクションの被害とリスク
  3. OSコマンドインジェクションの対策
  4. OSコマンドインジェクションについて理解し、適切に対策しましょう

OSコマンドインジェクションの基礎知識

最低限知っておきたいコマンドインジェクションの概要と、その仕組みについて解説します。

OSコマンドインジェクションとは?

OSコマンドインジェクションとは、攻撃者が悪意を持ってWebアプリケーションの脆弱性をつき、不正なOSコマンドを実行させる攻撃手法です。OSコマンドはファイルの作成や削除、実行などさまざまな処理を命令できます。そのため、不正にOSコマンドを実行されてしまうと、サーバーに多大な影響をもたらすでしょう。攻撃者はWebサイトの入力フォームなどを通じて、本来実行される予定のないOSコマンドを紛れ込ませる手法で、サーバー上で不正なOSコマンドを実行させます。

OSコマンドインジェクションの仕組み

OSコマンドインジェクションの基本的な流れは次のとおりです。

  1. 攻撃者が脆弱性のあるWebサイトの入力フォームなどに、不正なOSコマンドを含む攻撃コードを送信
  2. 脆弱性のあるWebアプリケーションが攻撃コードを適切にチェックせず、そのままシステムに渡してしまう
  3. 攻撃コードに含まれる不正なOSコマンドが、サーバー上で実行される

このように、本来実行されるはずのないコマンドが不正に実行されることで、システムにさまざまな被害がもたらされます。

OSコマンドインジェクションの被害とリスク

OSコマンドインジェクションによって引き起こされる主な被害として、以下のようなものが挙げられます。

  • 機密情報の漏えい
  • Webサイトのコンテンツ改ざん、削除
  • マルウェアのダウンロードや実行
  • サーバーリソースの枯渇によるサービス停止
  • 他のシステムに対する攻撃の踏み台

攻撃の内容次第では、顧客情報の漏えいや風評被害など、企業の信頼を大きく損なうリスクもあります。OSコマンドインジェクションはブラックボックスでの検知が難しく、早期発見・対処ができないケースも少なくありません。

OSコマンドインジェクションの対策

OSコマンドインジェクションに対する技術的な対策として、次のようなものが有効です。

エスケープ処理とサニタイジング

OSコマンドインジェクションを防ぐためには、Webアプリケーションへのユーザー入力値を適切に検証・無害化する必要があります。そのために用いられるものが「エスケープ処理」による「サニタイジング」です。OSコマンドとして解釈されないように、特殊文字を変換(エスケープ処理)し、特殊な文字列を無害化(サニタイジング)することで、OSコマンドインジェクションを防げます。

脆弱性診断の実施

定期的に脆弱性診断を実施し、Webアプリケーションの脆弱性を早期に発見・修正することも重要です。主導での診断に加え、専用のツールを活用することで、網羅的かつ効率的な脆弱性の検出が可能です。ただし、適切に診断するためにはセキュリティの知識が欠かせません。社内にセキュリティ人材がいない場合には、外部のサービスなどを活用することを検討しましょう。

シェルコマンドの使用を避ける

シェルはOSにコマンドを渡すためのプログラムです。OSコマンドインジェクションの主な原因として、入力値をそのままシェルに渡したり、シェルを呼び出す関数を利用していたりすることが挙げられます。そのため、基本的にはシェル呼び出しを可能にする関数を使用しないようにしましょう。代替手段がない場合は、ユーザー入力値を直接コマンドに渡すのではなく、あらかじめ用意した引数のみを使用するなどの工夫が必要です。

WAF(Web Application Firewall)の導入

WAFは名前のとおり、Webアプリケーションを守るためのファイアウォールです。WAFはOSコマンドインジェクションを含むさまざまな攻撃を検知し、自動的にブロックしてくれます。導入後は通信の監視も定期的に行うことで、より高い効果が得られます。

OSコマンドインジェクションについて理解し、適切に対策しましょう

OSコマンドインジェクションは、企業のセキュリティ対策における重大な脅威の一つです。OSコマンドインジェクションの攻撃を受けると、企業活動に多大な影響をもたらしかねません。そのため、攻撃の仕組みを理解し、適切な対策を講じる必要があります。

自社のWebサイトやアプリケーションのセキュリティ状況に不安がある場合は、まずは専門家による診断を検討してみてはいかがでしょうか。日立ソリューションズ・クリエイトでは、高度なスキルを持つホワイトハットハッカーによるセキュリティ診断サービスを提供しています。OSコマンドコマンドインジェクションをはじめとするサイバー攻撃のリスクを最小限に抑えたいとお考えの場合には、ぜひ一度ご相談ください。

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