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セキュリティ

パスキーとは? パスワード不要の仕組みと企業の導入メリット

パスワードはさまざまな場面で利用しますが、IT環境が大きく変化したいま、管理やセキュリティ上の課題から見直しが必要とされています。このような状況の中、パスワード管理の手間から解放され、セキュリティも向上する画期的な認証技術として注目されているものが「パスキー」です。
この記事では、パスキーの概要から、企業が導入することで得られるメリット、企業での導入準備と課題について解説します。

  1. パスキーとは?
  2. パスキーを導入することで得られる企業のメリット
  3. パスキー導入に向けた企業の準備と乗り越えるべき課題
  4. パスキー導入で企業の認証環境を強化しよう

パスキーとは?

パスキーとは、パスワードを用いずに指紋認証や顔認証といった「生体認証」や、デバイスのPIN認証を活用する認証の仕組みです。パスワードに代わる新しい認証技術として注目されており、Apple、Google、Microsoftなどの大手IT企業も推進しています。

パスキーの仕組みとFIDO認証との関係

より厳密には、パスキーはFIDO(ファイド)認証における認証資格情報です。FIDOアライアンスが制定した規格に基づく認証技術で、公開鍵暗号方式を採用しています。その仕組みは、ユーザー側のデバイスに「秘密鍵」、Webサイトやサービス側に「公開鍵」を保存することで実現しています。

認証の流れは大まかに次のとおりです。

  1. ユーザーがログイン要求
  2. サーバーから「チャレンジ」をユーザーに送信
  3. デバイス上でパスキー(生体認証、PINなど)を利用
  4. デバイス内の秘密鍵で「チャレンジ」に署名
  5. サーバーが公開鍵で署名を検証して認証完了

この仕組みでは、秘密鍵がデバイスから外部に送信されることがありません。そのため、パスワードを用いるよりも便利で高い安全性を実現しています。

パスワードとの違いとセキュリティ面での優位性

パスワードは固定式で、本人でなくてもその内容を知っていれば認証できてしまいます。対して、パスキーはデバイスごとに一意に生成されます。パスキーを使って動的なチャレンジ・レスポンス※を行うため、仮に攻撃者が情報を取得したとしても、継続的な不正利用を防げます。
※サーバーから送られる一度きりのランダムなデータに対し、応答者が自身の秘密情報(パスワードなど)を使って算出した応答を返すことで認証を行う方式

また、従来のパスワード認証では情報漏えいのリスクが常に存在していました。しかし、パスキーであればサーバー側には公開鍵のみが保存され、秘密鍵はデバイスから外部に出ないため、データ漏えいが発生したとしても影響が限定されます。

パスキーを導入することで得られる企業のメリット

パスキーの導入は、企業にさまざまなメリットをもたらします。ここでは、代表的な2つのメリットについて見ていきましょう。

パスワード管理の手間を減らし、業務を効率化

パスキーを導入することで、従業員はパスワードを記憶する必要がなくなります。安易なパスワードの使いまわしも防げ、セキュリティ向上が期待できるでしょう。

パスワードに関するリスクは、こちらの記事でも詳しく解説しているため、併せてご覧ください。
リスクを低減! パスワードの適切な管理方法
パスワードの使いまわしはなぜ危険なのか? 対策と併せて解説

また、生体認証やPIN認証によってすぐにログインできます。認証が必要なシステム・サービスを多数併用する現代の業務環境において、ログインの効率化は業務の効率化にもつながります。

フィッシングや不正アクセスのリスクを抑制

パスキーの大きな特長の一つは、フィッシング攻撃に対する高い耐性があることです。従来の認証方式では、巧妙に作られた偽サイトにユーザーが認証情報を入力してしまうリスクがありました。しかし、パスキーは特定のドメインにひもづいているため、偽サイトでは認証が実行されません。

さらに、パスワードを利用しないため、パスワード漏えいによる不正アクセスも防げます。これらのことから、パスキーはパスワードが抱えるさまざまな課題を解決するための有効な一手といえます。

フィッシングや不正アクセスについて詳しく知りたい方には、こちらの記事もおすすめです。
フィッシング詐欺とは? 手口や被害事例・対策について解説
意外な侵入経路も…知っておきたい不正アクセスの手口

パスキー導入に向けた企業の準備と乗り越えるべき課題

パスキーはパスワードに代わる強力な認証手段ですが、有効活用するためには事前の準備と乗り越えるべき課題の解決が欠かせません。ここでは、企業がパスキーを導入する際のポイントについて解説します。

既存システムとの互換性や運用ルールの整備

パスキー導入の際には、既存システムとの互換性の確認が必須です。事前に、現在利用しているWebサービスやアプリケーションの対応可否を調査する必要があります。必要に応じてシステムのアップグレードやAPI連携の見直しが求められます。

また、技術的な面では、デバイス紛失時の復旧プロセスの複雑さや、BYOD環境での管理課題なども課題として挙げられるでしょう。

さらに、パスワードとは異なる運用が求められるため、運用ルールの整備が重要です。例えば、パスキーの登録や削除の手順、デバイス紛失時の復旧プロセス、バックアップ認証手段の設定など、運用ルールとして事前に検討して定めておくべきです。

従業員の理解促進と受け入れ体制の構築

パスキーの導入を成功させるためには、従業員の理解と協力が欠かせません。パスキーは現状普及の初期段階にあり、企業環境での利用には追加の教育が必要です。

具体的には、パスキーのセキュリティ効果や実際の操作手順、従来のパスワード認証との併用などについて理解してもらうことが重要です。導入にあたっては、FIDOアライアンスが実際のユースケースを対象とした「デザインガイドライン」を公開しています。こちらも参考に進めることが推奨されます。

パスキー導入で企業の認証環境を強化しよう

パスキーはパスワードの代替手段として、FIDO認証技術を基盤としたセキュリティとユーザビリティの両立を実現する認証の仕組みです。導入することで、煩雑なパスワード管理から解放されるだけでなく、フィッシング攻撃や不正アクセスに対する強固な対策も実現できます。

パスキーは単独でも強力な認証手段ですが、他の認証技術と組み合わせることで、さらに堅ろうなセキュリティ環境を構築できます。

日立ソリューションズ・クリエイトでは、安全性と利便性を兼ね備えた認証システム「認証管理ソリューション」を提供しています。多要素認証を容易に導入でき、クラウドサービスや自社システムなどへの認証強化を支援するサービスです。

パスキーの導入と併せて、社内の認証管理を統合的に強化したい場合は、ぜひ一度お問い合わせください。

参考:FIDOアライアンス「Passkeys

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