セキュリティ
中小企業の情報セキュリティ対策ガイドラインについて分かりやすく解説

中小企業においても、情報セキュリティ対策は重要です。しかし、どのように取り組めばよいのか悩んでいる経営者も多いのではないでしょうか。そんな中小企業の経営者必見のガイドラインが「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」です。
この記事では、中小企業の情報セキュリティ対策ガイドラインの概要から、最新の改定内容や基本的な考え方、具体的な対策内容までわかりやすく解説します。
- 中小企業の情報セキュリティ対策ガイドラインとは
- 「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第3.1版」の改訂内容
- 中小企業が取るべき情報セキュリティ対策
- 中小企業の情報セキュリティ対策ガイドラインを理解し適切に対応しましょう
中小企業の情報セキュリティ対策ガイドラインとは
「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」は、情報処理推進機構(IPA)が公開する中小企業向けの情報セキュリティ対策の指針や手順、手法をまとめたガイドラインです。このガイドラインは、中小企業の経営者が情報セキュリティ対策の必要性を理解し、重要な情報の漏えいや改ざんなどの被害を防止することを目的としています。
最新版は2023年4月公開の第3.1版です(2024年10月現在)。こちらの公開以降も付録などの資料が追加されていますので、サイトも確認しておくことをお勧めします。
→「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」
「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第3.1版」の改訂内容
中小企業の情報セキュリティ対策ガイドラインは、2023年4月に第3.1版が公開されました。最新の改定内容のポイントは次の3点です。
テレワークの情報セキュリティ
ガイドラインは「第1部 経営者編」「第2部 実践編」「付録」に分かれています。このなかの「第1部」では関連法令が最新の内容に見直され、「第2部」に新たに「テレワークの情報セキュリティ」が追加されました。
コロナ禍でテレワークが普及したことを受け、テレワークを安全に利用・運用するためのセキュリティ対策の方針が記載されています。
インシデント対応
「セキュリティインシデント対応」も「第2部」に追加された項目です。また、新たに付録として「付録8:中小企業のためのセキュリティインシデント対応の手引」が追加されました。セキュリティインシデントの「検知・初動対応」「報告・公表」「復旧・再発防止」に分けて記載されており、セキュリティインシデントが発生してしまった場合の対応の指針となるものです。
情報セキュリティ5か条
「付録1:情報セキュリティ5か条」も見直されました。5か条は次のとおりです。
- OSやソフトウェアは常に最新の状態にしよう!
- ウイルス対策ソフトを導入しよう!
- パスワードを強化しよう!
- 共有設定を見直そう!
- 脅威や攻撃の手口を知ろう!
第3.1版ではそれぞれの対策例が更新されています。
中小企業の情報セキュリティ対策ガイドラインの基本
ガイドラインでは、情報セキュリティを確保するための経営者の役割について、3原則を認識したうえで重要7項目の取り組みを実施するよう指示することが重要とされています。
ここでは、それぞれの項目について引用しながら簡単に紹介するため、大筋を理解するために一つずつ見ていきましょう。
経営者が認識すべき3原則
まず、経営者は次の3原則を認識して対策を進める必要があります。
- 情報セキュリティ対策は経営者のリーダーシップで進める
- 委託先の情報セキュリティ対策まで考慮する
- 関係者とは常に情報セキュリティに関するコミュニケーションを取る
実行すべき重要7項目
次に、経営者は次の重要7項目について、自ら実践するか、責任者や担当者を指名して指示する必要があります。
- 情報セキュリティに関する組織全体の対応方針を定める
- 情報セキュリティ対策のための予算や人材などを確保する
- 必要と考えられる対策を検討させて実行を指示する
- 情報セキュリティ対策に関する適宜の見直しを指示する
- 緊急時の対応や復旧のための体制を整備する
- 委託や外部サービス利用の際にはセキュリティに関する責任を明確にする
- 情報セキュリティに関する最新動向を収集する
経営者は3原則を認識し、重要7項目に取り組んでいくことが中小企業の情報セキュリティ対策において重要となります。
中小企業が取るべき情報セキュリティ対策
情報セキュリティ対策は、一度実施すれば終わりではありません。脅威や攻撃手法は常に変化しているため、継続的な見直しと改善が必要不可欠です。
中小企業が情報セキュリティ対策に取り組むことは、自社の被害防止だけでなく、サプライチェーン全体のセキュリティ向上にもつながります。ひいては経済社会全体のサイバーリスク低減に貢献することになるのです。
いまや、業界や業種を問わず、企業が持つ情報の価値は高まっています。企業規模の大小にかかわらず、情報セキュリティ対策を講じることは企業の責務といえるでしょう。
中小企業の情報セキュリティ対策ガイドラインを理解し適切に対応しましょう
「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」は、IPAが公開する中小企業向けの情報セキュリティ対策の指針・手法などをまとめたガイドラインです。このガイドラインは定期的に更新されており、2023年4月に「第3.1版」が公開されました。サイバー脅威は年々巧妙化・複雑化を続けており、企業として情報セキュリティ対策は欠かせないものとなっています。
しかし、セキュリティ対策を実施するにしても、具体的にどのような対策を取るべきか悩んでいる経営者の方は多いのではないでしょうか。日立ソリューションズ・クリエイトでは、ホワイトハッカーによる「セキュリティ診断サービス」を提供しています。高度な知識を持つ専任技術者によって、システムやネットワークのぜい弱性を診断し、取るべきセキュリティ対策を具体的にできるサービスです。自社のサービスやシステムのセキュリティ診断に興味がある場合は、ぜひ一度お問い合わせください。