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セキュリティ

SQLインジェクションとは? 仕組みや企業に必要な対策など

近年、企業のWebサイトやWebアプリケーションを狙ったサイバー攻撃が増加しています。その中でも「SQLインジェクション」は、代表的な攻撃の一つです。SQLインジェクションにより、データベースから機密情報が流出したり、Webサイトが改ざんされたりする被害が後を絶ちません。
この記事では、SQLインジェクションの基礎知識から企業に必要な対策、具体的な手法について解説します。

  1. SQLインジェクションの基礎知識
  2. SQLインジェクションの被害とリスク
  3. 企業に必要なSQLインジェクション対策
  4. SQLインジェクション対策の具体的な手法
  5. SQLインジェクションについて理解し適切な対策を!

SQLインジェクションの基礎知識

はじめに、SQLインジェクションの基礎知識として、概要からその仕組みについて解説します。

SQLインジェクションとは?

SQLとはデータベースを操作するための言語です。SQLインジェクションとは、Webアプリケーションのセキュリティ上の脆弱性を利用して、不正なSQL文をデータベースに送信し、データベースを不正に操作する攻撃手法です。Webアプリケーションの多くは、データを管理するためにデータベースを使用しています。このようなデータベースに対して、攻撃者はWebサイトの入力フォームや検索フォームなどから、意図的に細工されたSQL文を注入(インジェクション)して、データベースを不正に操作します。

SQLインジェクションの仕組み

SQLインジェクションは、主に次のような流れで行われます。

  1. 攻撃者が脆弱性のあるWebアプリケーションを探す
  2. 入力フォームなどに不正なSQL文を注入する
  3. 不正なSQL文がデータベースに送信され、実行される
  4. データベースから情報が抽出されたり、データが改ざんされたりする

攻撃者は、入力された値がSQL文に組み込まれる際の脆弱性を突いて、不正なSQL文を実行させるのです。

SQLインジェクションの被害とリスク

SQLインジェクションによって、企業は次のような深刻な被害を受けるリスクがあります。

  • 機密情報や個人情報の漏えい
  • Webサイトのコンテンツ改ざん
  • データベースの破壊によるサービス停止

情報漏えいによって顧客の信頼を失ったり、改ざんによって企業イメージが傷ついたりと、企業経営に大きな打撃を与えかねません。また、サービスが停止すれば、機会損失も発生するでしょう。

企業に必要なSQLインジェクション対策

SQLインジェクションから企業を守るためには、セキュリティに対する意識の向上と企業全体でのセキュリティ強化が欠かせません。開発者やシステム管理者に対しては、セキュリティ教育を徹底し、セキュリティの重要性を認識してもらうことが重要です。その他にも、脆弱性診断の実施やWAF(Webアプリケーションファイアウォール)の導入など、多層的なセキュリティ対策を講じる必要があります。

SQLインジェクション対策の具体的な手法

技術的な部分に関するSQLインジェクション対策の具体的な手法を解説します。

プレースホルダを使用する

SQLインジェクション対策として有効なものの一つとして、プレースホルダの使用が挙げられます。プレースホルダとは動的に値が変化する部分に名称をつけるもの(変数)であり、変数を含んだSQLクエリを作成する仕組みです。プレースホルダを用いることで、SQL文と入力データを分離でき、不正なSQL分の挿入を防げます。

エスケープ処理する

エスケープ処理は、SQL文の中で特別な意味を持つ記号をただの文字として扱うための処理です。例えば「'(シングルクォーテーション)」や「;(セミコロン)」などは、SQLクエリに影響をもたらす記号であるため、エスケープ処理が欠かせません。エスケープ処理によって、入力値がSQL文として扱われることを防ぎます。

権限を設定する

アプリケーションに対して、必要最小限のデータベース操作権限を与えることも効果的です。アプリケーションが操作できる対象が限定されていれば、被害が大きくなることはありません。万が一SQLインジェクションが成功しても、被害を最小限に抑えられます。

Webアプリケーションを最新バージョンに保つ

アプリケーション内で使用しているフレームワークやライブラリは、常に最新バージョンに更新しましょう。特にオープンソースのフレームワークやライブラリなどは、有名であるために狙われることも多くなります。セキュリティアップデートも定期的に行われているため、最新バージョンを保って既知の脆弱性を修正したバージョンを適用することが大切です。

ログを監視する

データベースへのアクセスログも定期的に監視し、不審なSQL文の実行がないか確認しましょう。異常な兆候を早期に検知できれば、被害の拡大を防げます。

SQLインジェクションについて理解し適切な対策を!

業務でWebアプリケーションを利用する機会が増えている昨今、SQLインジェクションは、企業のセキュリティにとって大きな脅威となります。SQLインジェクションについて正しく理解し、開発段階からセキュリティを意識した適切な対策を行うことが重要です。

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