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セキュリティ

SWGとは? メリット・デメリットやCASBとの違いなど

インターネットの利用が増え続ける現代において、企業のセキュリティ対策はますます重要になっています。多くの企業が直面する課題の一つに、インターネットを介した脅威から組織を守ることが挙げられるでしょう。そこで注目したいものが「SWG」です。

本記事では、SWGの基本からメリット・デメリット、そしてCASBとの違いについて解説していきます。

  1. SWGとは
  2. SWGとCASBの違い
  3. SWG導入のメリット
  4. SWG導入のデメリット
  5. SWGの導入などセキュリティ強化に取り組んでいきましょう

SWGとは

SWG(Secure Web Gateway)とは、インターネットへのアクセスを制御し、Webベースの脅威から組織を保護するセキュリティソリューションです。SWGは企業のネットワークとインターネットの間に配置され、従業員が安全にインターネットに接続できるようにセキュリティ機能を提供します。SWGはプロキシの一種であり、従来のプロキシよりもセキュリティに特化したもの、と捉えられるでしょう。

従来のプロキシはオンプレミス環境に設置しており、SWGと似たような機能を持っていましたが、主にこれらをクラウドサービスとして提供するようになったものがSWGです。

SWGの代表的な機能

SWGの代表的な機能としては、次のようなものが挙げられます。

  • URLフィルタリング
  • コンテンツ検査
  • データ流出防止(DLP)
  • 暗号化通信の検査

URLフィルタリングは、企業が許可していないWebサイトへのアクセスを遮断するための機能です。不適切なWebサイトへのアクセスを遮断し、生産性の向上とともにマルウェアへの感染リスクを低減します。

また、インターネットからダウンロードするコンテンツをリアルタイムで検査し、悪意のあるコードやファイルを検出してブロックすることも可能です。加えて、内部から外部への情報流出を防ぐためのDLPも備わっています。

その他にも、Web上の暗号化された通信(HTTPS)の内容を検査して、マルウェアやフィッシングサイトからの脅威を防ぐことも可能です。

SWGとCASBの違い

インターネットセキュリティの分野では、SWGとCASBの両方が重要な役割を果たしていますが、それぞれ異なるアプローチを採っています。

CASBとは?

CASB(Cloud Access Security Broker)とは、クラウドサービスへのアクセスを制御し、セキュリティを強化するためのソリューションです。CASBは企業がクラウドサービスを安全に利用できるようにするためのセキュリティポリシーの適用、監視、制御を行います。企業におけるクラウドサービスの利用に伴うリスクの軽減策として、CASBも注目されています。

より詳しくは、こちらの記事で解説しているため併せてご覧ください。
→「CASBとは? SASEとの違いと併せて解説」(リンクを設置)

SWGとCASBの比較

SWGとCASBはともにプロキシのように動作するため、役割が似ているように思えます。しかし、役割や保護対象などを比較してみると、両者の違いが見えてくるでしょう。

主な役割 保護対象 主な機能 セキュリティ範囲
SWG Webアクセスのセキュリティと制御 社内ネットワークとインターネットの間 URLフィルタリング、コンテンツ検査、DLPなど インターネット経由の脅威からの保護
CASB クラウドサービスのセキュリティと制御 ユーザーとクラウドサービスの間 クラウドアプリケーションの可視化・制御、DLPなど クラウドサービス利用時の脅威からの保護

比較した内容を見て分かるとおり、SWGはWebアクセス全般のセキュリティに対応しているのに対して、CASBはクラウドサービスに関するセキュリティに特化しています。しかし、これはSWGがCASBを内包している、というわけではありません。

SWGとCASBの違いを理解しつつ、両者を上手に使うことでセキュリティを強化する必要があります。

SWG導入のメリット

SWGを導入するメリットとしては、主に次の3点が挙げられます。

セキュリティ強化

SWGは、インターネットを介したさまざまな脅威から企業を保護します。AI技術を活用した脅威検出機能により、新しいマルウェアやフィッシング攻撃にも迅速に対応することが可能です。さらに、リアルタイムのコンテンツ検査により、感染リスクを最小限に抑えられます。

運用の効率化

SWGの導入により、セキュリティポリシーの一元管理が可能になります。複雑化するIT環境下で、IT部門の負担が軽減されて運用効率が向上する点は、大きなメリットの一つです。また、自動化されたレポート機能により、迅速かつ正確なセキュリティ状況の把握が可能です。

コスト削減

複数のセキュリティ機能を一つのソリューションで提供するため、個別にセキュリティツールを導入するよりもコストを抑えられます。また、インシデント対応やデータ漏えいによるコストを未然に防ぐ効果も期待できるでしょう。

SWG導入のデメリット

一方で、SWG導入にはいくつかのデメリットが存在します。

まず、導入にはネットワークインフラの調整やポリシー設定が必要となり、初期設定に手間がかかる点です。加えて、高度なセキュリティ機能を提供する一方で、特定のネットワーク構成やアプリケーションとの互換性の問題が発生する可能性も考えられるでしょう。

これらに対応する手間や、対応可能な技術者が必要になる点はデメリットといえます。さらに、SWGの導入・運用にはコストが掛かり、規模の大きな企業ではライセンス費やメンテナンス費が高額になることも考えられます。

SWGの導入などセキュリティ強化に取り組んでいきましょう

SWGは、企業のインターネットセキュリティを強化するための強力なツールです。ただし、導入にはメリットだけでなくデメリットも存在します。自社のニーズに合わせて適切に選択し、セキュリティ対策を強化していきましょう。しかし、複雑化するIT環境で、適切なセキュリティ対策を講じることは容易ではありません。

日立ソリューションズ・クリエイトでは、導入までのコンサルティングから適切なソリューションの選定、導入後のセキュリティ維持まで、ワンストップで企業のセキュリティ対策を支えています。「自社に適したセキュリティ対策を検討している」という場合には、ぜひ一度お問い合わせください。

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