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セキュリティ

XDRとは? メリット・導入のポイントやEDRとの違いなど

テレワークやハイブリッドワークの普及、クラウドサービスの業務利用の拡大など、昨今の企業を取り巻く環境は大きく変化しました。そのため、セキュリティを取り巻くリスク環境も変化しており、適切な対策が欠かせなくなっています。そんななかで、近年注目を集めるセキュリティソリューションの一つが「XDR」です。
この記事では、XDRの概要から必要とされる背景や仕組みと併せて、EDRなどとの違いや関係性について解説します。

  1. XDRとは
  2. XDRとEDRの違い・関係
  3. XDRが必要とされる理由
  4. XDRの仕組み

XDRとは

XDR(Extended Detection and Response)とは、さまざまなセキュリティレイヤーを対象としたインシデントの検知・対応を行なう機能・ソリューションの総称です。対象となるセキュリティレイヤーは、エンドポイント(端末)やサーバー・ネットワーク・メールなどが挙げられます。
主にインシデント発生後の対応をスムーズに行うために用いられ、サイバー攻撃の可視化や攻撃手法の分析、インシデント対応の自動化などを実現できます。

XDRとEDRの違い・関係

XDRと似たものにEDR(Endpoint Detection and Response)やNDR(Network Detection and Response)が挙げられます。いずれも可視化・分析・対応の自動化を実現するためのソリューションですが、対応するセキュリティレイヤーが異なる点が違います。

  • XDR:あらゆるセキュリティレイヤー
  • EDR:エンドポイントのみ
  • NDR:ネットワークのみ

XDRのXはExtended(拡張)を意味しており、これまでのEDRやNDRを拡張して広範囲に可視化・分析・対応の自動化を実現するソリューションとなっています。

XDRが必要とされる理由

サイバー攻撃は複雑化・巧妙化が進んでおり、企業を取り巻くITインフラ環境も大きく変化しています。従来守るべき情報資産は特定の場所に保管されていましたが、近年ではクラウドサービスの業務利用も増えたため、情報資産の保管場所も多種多様となりました。
そんななかで、攻撃者が狙う対象はPCやサーバーなどのエンドポイントのみではなくなっています。近年、特に注意が必要とされている「標的型ランサムウェア」では、メールやVPN機器のぜい弱性を狙ってネットワークに侵入し、そこから内部活動を行います。気づかないうちに感染が広範囲に広がり、被害の拡大につながることも珍しくありません。

このようなセキュリティリスクの変化に伴い、包括的なセキュリティ対策を実施した上でインシデント発覚後には即座に対応することが重要です。そのためには、エンドポイントだけでなくあらゆるセキュリティレイヤーを可視化し、即座に検知・対応の自動化を実現するソリューションが求められます。
このような理由から、XDRは現代のセキュリティリスク環境において、適切なセキュリティ対策を実施するために欠かせない存在といえるでしょう。

XDRの仕組み

XDRはエンドポイントだけでなく、電子メール、サーバー、クラウドワークロードなど、システム全体でデータを収集・分析して脅威を検出する仕組みです。各セキュリティレイヤーで個別に対応せず、統合的に管理することでさまざまなメリットがもたらされます。

例えば、各種情報が分断されて独立している状態である「情報のサイロ化」を防げます。情報のサイロ化が発生している状況では、各セキュリティレイヤーから手動で情報を集めてそれぞれの関係性を判断する必要がありますが、これは非常に手間がかかる作業です。また、各セキュリティレイヤーから個別にアラートが発生した場合も同様です。
このような環境下では、スムーズにインシデント対応が行えず、事前に防ぐどころか発生後の被害拡大につながりかねません。

XDRはシステム全体の可視化を実現することで、攻撃シーケンス全体の行動の連鎖に焦点を当て、攻撃動作を中心としたアプローチによって分析・検知を行います。そのため、サイバー攻撃全体の流れをつかみやすくなり、根本的な対策が実施できます。XDRが機能していれば、担当者は個別に情報を収集したり、発せられるアラートの関係性を分析したりする必要がありません。
このような仕組みによって、インシデント発生後も即座に適切な対応・対策が実施できます。

企業を取り巻くIT環境の大きな変化により、セキュリティリスク環境も大きく変化しています。加えて、サイバー攻撃は年々複雑化・巧妙化が進んでおり、統合的なセキュリティ対策が必要です。XDRはシステム全体の可視化・分析・対応の自動化を実現でき、運用者の負担を軽減する効果も期待できます。

変わり続けるセキュリティリスク環境に対応するためにも、XDRの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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