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セキュリティ

ゼロトラストの考え方に基づくセキュリティ対策

ゼロトラストセキュリティという用語を見聞きしたことがあるものの、具体的にどのようなものか分からないという方もいるのではないでしょうか。サイバー攻撃や情報漏えいなどのリスクから企業を守るためには、ゼロトラストセキュリティについて理解しておくことが大切です。
この記事では、ゼロトラストの意味や重要視されている理由、ゼロトラストセキュリティを取り入れる方法などについて解説します。企業のセキュリティ管理に携わる方は、ぜひ参考にしてください。

  1. ゼロトラストとは
  2. なぜゼロトラストセキュリティが求められているのか
  3. ゼロトラストセキュリティのメリット・デメリット
  4. ゼロトラストセキュリティを取り入れる方法

ゼロトラストとは

ゼロトラストとは、情報セキュリティの安全性を高めるための考え方です。ゼロトラストは何も信頼しないという意味を表します。システムやデータベースにアクセスを試みるユーザーやデバイスを信頼せず、必ず安全性を確認することがゼロトラストの特徴です。

なぜゼロトラストセキュリティが求められているのか

ゼロトラストセキュリティが求められるようになった理由として、クラウドサービスの利用やテレワークが普及したことがあげられます。リスクが発生する機会が増え、より強固なセキュリティモデルが求められるようになりました。

従来のセキュリティでは、境界防御(ペリメタセキュリティ)と呼ばれるモデルが主流でした。境界防御とは、社内外のネットワークを境界で分け、外部からの脅威に備えるセキュリティモデルです。しかし、境界防御では境界の内側に入り込んだ脅威に対処できません。

一方、ゼロトラストセキュリティには境界の概念がなく、あらゆる対象を検証します。社内ネットワークに入り込んだマルウェアなどの脅威にも対応できることが、ゼロトラストセキュリティが注目される理由です。

ゼロトラストセキュリティのメリット・デメリット

ゼロトラストセキュリティには、メリットだけでなくデメリットもあります。そのため、導入を検討する際はその特徴を理解しておくことが重要です。

メリット1:セキュリティ性の向上

ゼロトラストセキュリティを導入すると、セキュリティ性を向上できます。業務でさまざまなクラウドサービスを活用している場合であっても、不正アクセスなどのリスクを低減できることがゼロトラストセキュリティのメリットです。また、内部不正による情報漏えいなどにも対応できます。

メリット2:どこからでもアクセスできる

自宅やコワーキングスペース、サテライトオフィスなど、どこからでも安全にアクセスできることもメリットです。特に、テレワークを推奨している組織では、ゼロトラストセキュリティによって安全性が高まります。

デメリット1:導入コストがかかる

ゼロトラストセキュリティのデメリットは、導入コストがかかることです。既存のセキュリティ体制の見直しや新たに導入するソリューションの選定など、さまざまな手間が発生します。また、新しいセキュリティ体制に関する教育やマニュアルの整備も必要です。ゼロトラストセキュリティを実現するためのデバイスやシステムを導入、運用する費用もかかります。

デメリット2:業務効率が下がる場合がある

業務効率の低下も、注意すべきポイントです。ゼロトラストセキュリティが採用されたシステムでは、毎回ログインの手続きを行う必要があります。業務の内容ややり方によっては効率が下がってしまう点がゼロトラストセキュリティのデメリットだといえるでしょう。

ゼロトラストセキュリティを取り入れる方法

ゼロトラストセキュリティは以下のような方法で取り入れることができます。

ID管理

ゼロトラストセキュリティでは、システムやデータベースにアクセスする際にユーザーIDが必要です。ユーザーIDを発行し、ログイン時に照合することによって、不正アクセスを防ぎます。

また、ユーザーが所有する端末を用いた多要素認証の仕組みを導入すると、ユーザーIDの不正利用も防ぐことが可能です。

アクセス権限の管理

同じシステムを利用する場合であっても、ユーザーによって行う作業は異なります。そのため、ユーザーごとに異なるアクセス権限を割り当てることが、ゼロトラストセキュリティの実現には必須となります。

例えば、委託業者のIDには閲覧権限のみを与え、社員のIDには閲覧・編集権限を与えるなどの管理を行う必要があります。

行動履歴の管理

システムにアクセスしたユーザーの行動履歴を管理すると、セキュリティリスクの検知や分析が可能です。アクセスログを取得し、リアルタイムで監視するシステムによって、ゼロトラストセキュリティが実現できます。

ゼロトラストセキュリティは、あらゆるユーザーや接続元を信頼せず、常に安全性を検証するセキュリティモデルです。従来の境界防御モデルでは防ぐことが難しかった、マルウェア感染や内部不正などのリスクにも対応できます。
強固なサイバーセキュリティを実現したいなら、ゼロトラストセキュリティを取り入れてみてはいかがでしょうか。

セキュリティ対策のソリューションを導入することも、ゼロトラストセキュリティを実現する方法の一つです。セキュリティリスクの検知やサイバー攻撃に対抗するためのソリューションについては、以下のページをご確認ください。

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