テクノロジー
炎上対策にも効果的? AIによるSNS監視
SNSの普及によって、個人が自由に意見を発信する機会が増えました。ときには企業への批判がなされ、それが簡単に拡散してしまうケースもあります。そこで企業は、自社の情報がSNSでどう話題になっているか常に監視する必要に迫られています。そこで新たなテクノロジーである「AI(人工知能)」を使用したSNS監視を取り入れるケースも出てきました。
ここでは、AIを使ったSNS監視の内容や有効性について詳しく紹介します。
企業におけるSNS監視の重要性
企業は自社製品やサービスを世の中に打ち出す際、多くの人の目に触れるようにSNS、Webサイト、アプリ、ブログなどを活用します。露出が増えれば認知度も上がりますが、発信した情報への批判、炎上にさらされる危険も高まります。
特にFacebookやTwitterなどのSNSでは、24時間365日世界のあらゆる場所から投稿が行われています。中には真偽不明のデマや特定の思想・風潮に偏った情報、悪質な噂話、誹謗中傷なども含まれており、ビジネスにおいてこれらの有害な情報は企業イメージや企業製品に多大な不利益をもたらすと考えられ、そういった情報が拡散する前に対策をとらなければなりません。
しかし、SNSは世界中の人が自由に情報を発信できるため、いつどのように炎上が起こるか予測がつきにくい部分があります。目視によるチェックだけでは限界があり、見落としてしまうこともあるでしょう。そこでAIでSNSを常時監視して自社に関係のある情報をチェックすることで、問題のある投稿やコメントにいち早く対処できるようになります。
AI活用によって低コストで24時間体制のSNS監視が可能に
AIは日々進化を続けており、ディープラーニング(深層学習)によって音声データや画像処理の精度も向上しています。SNSについても、テキストデータの収集から傾向の分析、その後の対策といった一貫性のある監視対応が可能になりつつあり、24時間体制で監視が行えるようになりました。AIの普及によって、従業員にかかる負担や人件費の削減、業務の効率化が一層進んでいくと期待されています。
AIによるSNS監視を導入するメリット
AIによってSNSを監視すると、人がチェックするだけでは難しい迅速な対応と作業の効率化を実現できるとされており、メリットは多いといえます。どのようなメリットがあるのか、具体的にみていきましょう。
人件費の削減
AIで監視やフィルタリングを行うと、監視業務にかかる工数を減らすごとができるため、人件費を大きく削減できます。また、平日の日中は人による目視チェックを行い、夜間や土日などの休日はAIに任せるといった住み分けを行うこともできますし、特定の条件に合う投稿を抽出する単純作業だけをAIに任せる方法もあります。
炎上対策
何らかの原因でSNS が炎上することは避けられないとしても、早期に発見し企業として対処することが大事です。放置して被害が広がる前にどうにかしなくてはいけません。
目視では漏れてしまったり、検知のスピードが遅かったりといった心配がありますが、AIでは少なくとも設定したルールに基づく検知のスピードは速くなります。
SNSの投稿から生じた炎上といったケースに対しても、自社に関する情報発信をAIで監視しておけば、早期に対応することもできるでしょう。
情報収集
人が直接何らかの情報を集めて回るには時間と労力がかかりますが、AIは学習しながら自動的に情報を集めることができます。24時間365日、SNS上を巡回し、炎上や批判などのネガティブな情報だけでなく、自社に関するポジティブな情報や競合についての情報なども集められるようになります。集めた情報を今後の企業活動に生かすことで、業績アップにつながることが期待できます。集まった投稿を集計して何らかの指標にするなど、分析の手段にも使えます。
リスク管理
AIによる常時監視では、未発表の情報や情報漏えいにつながる投稿を検知することができます。SNSや掲示板に書き込まれた文章データを過去の事例に照らし合わせて学習・判断し、管理者にリスクを知らせます。書き込みの内容や傾向を分析する精度の高いAIも登場しており、どのような情報がリークにつながるのかといったリスクの把握や、情報漏えい対策へのヒントを得ることも可能です。万が一、漏えいが起きてしまっても早期に対処ができますし、信頼回復にどのような活動が効果的なのか、また社内体制をどのように整えるべきかについてマネジメントがしやすくなります。
日々投稿・更新されるSNSの書き込みは、人による監視や目視だけでは致命的なリスクを見逃してしまう可能性があり、リアルタイムにリスクに備える方法としてAIの導入が注目されています。すでにAIは多方面で活用されていますが、ディープラーニングと精度向上により、今後さらにSNSの監視に活用されていくことでしょう。ぜひあなたの会社でもAI活用を検討してみてはいかがでしょうか。
※「Facebook」は、Facebook,Inc.の登録商標です。
※「Twitter」は、Twitter,Inc.の商標または登録商標です。
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