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テクノロジー

顔認証システムの仕組みと精度

現在ではスマートフォン(スマホ)のロック解除やオフィスの入退室管理など、幅広く導入されている顔認証システム。自社でも顔認証システムの利用を検討しているものの、仕組みや精度について不安があり、なかなか導入に踏み切れないという方も多いのではないでしょうか。顔をカメラで写すだけで本当に認証できるのか、指紋認証よりも精度は高いのかなど、気になる点が多いかもしれません。
ここでは、顔認証システムの仕組みや精度、主な活用シーンなどについて詳しくご紹介します。

  1. 顔認証システムとは
  2. 顔認証システムの仕組み
  3. 顔認証システムの精度は高い?
  4. 顔認証システムの活用シーン

顔認証システムとは

顔認証システムとは、目や鼻、口など、人によって形や大きさ、位置が異なるものを照合するシステムです。

数字やアルファベット、記号の組み合わせで作られるパスワードは、パスワード解析ソフトなどを使用すればものの数分で突破されてしまうケースもあり、不正ログインされるリスクが常に伴います。一方、顔認証で使用する人の顔のパーツの組み合わせは、通常のパスワードより複雑であるため、不正ログインされる可能性が低いといえます。

また、顔認証システムは複雑なシステムであることから大がかりな装置が必要と思われがちですが、実際には導入しやすいものもあり、さまざまなシーンで活用できます。

顔認証システムの仕組み

顔認証システムは、カメラに写っている映像の中から人の顔を検出します。目の周りや鼻筋などの明暗を見ることで、顔を検出するのです。顔を検出したら、次に誰の顔なのかを判別します。目や鼻、口、眉といった特徴を捉え、より精密な「特徴量」へ変換し、さらに座標を数値化する形で顔データへ変換します。

登録している顔データとの照合率が一定の値を超えると、同一人物とみなされる仕組みです。なお、近年ではAIによって認証の精度が向上しており、システムによっては眼鏡やマスクを外さなくても認証できるようになっています。

顔認証システムの仕組みには、ビジュアル方式(2D認証)とIR方式(3D認証)があります。さらに、顔認証のためのデータを保管している場所に応じて、デバイス完結型とクラウド方式に分類されます。

それぞれの方式、タイプについて詳しく見ていきましょう。

ビジュアル方式(2D認証)

ビジュアル方式(2D認証)は、カメラに映った目や鼻、口などの位置からデータベース上の顔データと照合し、認証する方式です。スマートフォンやタブレット、PCなど、幅広いデバイスで用いられています。日光や照明などによる光の量に応じて精度が変化したり、髪型や化粧などの影響を受けたりする可能性があります。

IR方式(3D認証)

IR方式(3D認証)は、ビジュアル方式に赤外線センサーを追加することで、顔を立体的に認識できるように進化させたシステムです。ビジュアル方式と比べて精度が高く、髪型、化粧などに左右されることが少ないといえます。そのため、ビジュアル方式よりも活用できるシーンが多くなります。ただし、赤外線認証に対応したデバイス(機材)が必要です。

デバイス完結型

デバイス完結型は、デバイスに保存した顔データを照合するタイプです。顔データに個人の名前やIDを紐付けて登録します。インターネット通信ができない環境でも顔認証が可能です。

クラウド方式

クラウド方式は、クラウド上に登録した顔データと照合する方式です。カメラに写った顔の情報を顔データに変換し、クラウド上の顔データと照合します。デバイス上のアプリケーションとクラウド上のソフトウェアが通信し合いながら認証する仕組みです。クラウドへのアクセスにはインターネット通信が必要なため、使用できるシーンは限られています。個人情報のひとつである顔写真をクラウド上にアップロードすることになるので、流出や不正利用につながる恐れはあり、セキュリティ面での注意は必要です。

顔認証システムの精度は高い?

顔認証システムの精度は、利用する端末やシステムによっても変わってきます。精度の高いものでは、誤認識される確率は100万分の1未満であるとも言われています。
ただし、顔写真、目をつぶっている顔などで認証を解除できる可能性のある端末・システムもありますから、目的や利用シーンに合わせて選ばなくてはいけません。

顔認証システムの活用シーン

顔認証システムは、スマートフォンのログインやスマートフォン決済時の認証、オフィスなどへの入退室管理、サービスの利用許可などに使用できます。その他にも、出入国管理における日本人の出帰国手続や外国人出国手続でも運用されており、さまざまなシーンで活躍します。

顔認証システムは高精度でさまざまなシーンで利用できます。ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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