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テクノロジー

Web3.0(Web3)とは? わかりやすく解説

インターネットは1990年代から急速に発達し、現代では私生活・業務を問わず誰もが当たり前に利用するものとなりました。そんなインターネットはさらに進化しようとしていることをご存じでしょうか。「Web3.0」と呼ばれる次世代のインターネットの姿は、これまでの姿とは大きく異なります。

今後、インターネットはWeb3.0として普及すると考えられるため、今のうちから基礎知識を身に付けておきましょう。この記事では、Web3.0の概要やこれまでの歴史の解説と併せて、Web3.0のメリット、課題や注意点、関連技術について解説します。

  1. Web3.0とは?
  2. Web1.0〜Web3.0の歴史
  3. Web3.0のメリットと注目すべきポイント
  4. Web3.0の課題や注意点
  5. Web3.0に関連する技術

Web3.0とは?

Web3.0とは、ブロックチェーン技術によって実現する「分散型インターネット」のことであり、「次世代インターネット」とも呼ばれます。

現代のインターネットは「中央集権型」であり、GoogleやAmazon、Microsoftなどをはじめとする「プラットフォーマー」と呼ばれる管理者のもとに人々が集い、相互に交流するものです。Web3.0になるとプラットフォーマーを介さず、個人間で直接やり取りができるようになり、コンテンツの提供やデジタルデータの販売、送金などが自由に行えるようになります。

Web3.0とWeb3は同じもの?

「Web3.0」と「Web3」は同一のものとして扱われることが多いといえますが、厳密には異なります。もともとWeb3.0は、Webサイトを人間だけでなくコンピューターが理解可能な形式にする構想である「セマンティックWeb」の概念を表す言葉でした。しかし、近年では大まかに表現すると、Web3.0は分散型技術を用いて進化したインターネットの概念を表す言葉であり、Web3はその中核をなす具体的な要素技術という違いとなっています。

Web1.0〜Web3.0の歴史

Web3.0以前には、Web1.0/Web2.0が存在します。Web3.0について詳しく理解するためにも、Web1.0/Web2.0についても理解を深めておきましょう。

Web1.0

1990年代ごろのインターネットの姿であり、テキスト主体のWebサイトがほとんどでした。Web1.0では専門の知識を持ったユーザーが一方的に情報を発信し、閲覧者はコンテンツを見るだけという「一方通行のコミュニケーション」によって成り立っていた時代です。

Web2.0

2000年代〜2020年代、つまり現代のインターネットの姿であり、Webサイトの主体は画像や動画に変わりました。また、Twitter(現在のX)やInstagram、YouTubeなどのSNSが普及し、誰もが気軽に情報を発信できるようになり、「双方向のコミュニケーション」が可能となっています。

Web1.0/Web2.0までは「中央集権型」のインターネットの姿です。例えば、SNSを利用するためには登録が必要であり、個人情報を含む情報はSNSの管理者が管理します。近年ではプライバシーの問題もあり、中央集権型から脱しようとする動きが活発です。

Web3.0

Web3.0はそんな中央集権型を脱し、ブロックチェーン技術によって「分散型」のインターネットを実現します。ブロックチェーン技術は「ブロック」と呼ばれる単位でデータを管理し、チェーンのように連結して保管する技術です。中央集権型のように一箇所でデータを管理せず、ブロックチェーンの参加者の間で分散してデータを管理します。

Web3.0のメリットと注目すべきポイント

Web3.0は、Web2.0(現代のインターネット)が持つさまざまな課題を解決できます。主なWeb3.0のメリットや注目ポイントとしては、次のような点が挙げられるでしょう。

  • セキュリティの強化
  • データの改ざんが事実上不可能
  • サーバー障害によるサービスダウンの心配がない
  • 個人間で直接やり取りが可能
  • プライバシーの保護

Web3.0で用いられるブロックチェーン技術では、ネットワーク参加者の間でデータを分散・共有して保有するため、事実上改ざんが不可能とされています。また、サーバーに情報を保存する必要がないため、情報漏えいの心配もありません。

同様に、ネットワークを構成する要素としてサーバーが不要になるため、サーバー障害によるサービスダウンなども発生しなくなります。

現在のユーザーはサーバーを介してやり取りしていますが、Web3.0では「P2P」と呼ばれるコンピューター同士が対等につながる方式が用いられます。そのため、プラットフォーマーを介さず個人間・個人と企業間で直接やり取りすることが可能です。

さらに、個人情報などを中央集権のプラットフォーマーに渡す必要がなく、自身で管理できることからプライバシーの保護も実現できます。

Web3.0の課題や注意点

Web3.0は多くのメリットをもたらし、次世代のインターネットの姿として注目されていますが、実現するためにはいくつかの課題や注意点も存在します。

  • 法整備が整っていない
  • 専門知識が求められる
  • トラブルは自身で対処する必要がある

Web3.0は登場して間もない概念であり、実現するための技術も新しいため、法整備が整っていません。また、Web3.0での取り引きには仮想通貨を用いることになりますが、専門的な知識が必要であり、各種サービスも誰もが使いやすいものとは言い切れません。

加えて、現在のWeb2.0のように管理者が存在しないため、トラブルが発生した場合は、自身で対応する必要があります。

Web3.0に関連する技術

最後に、Web3.0に関連する代表的な技術について、簡単に概要を解説します。

DAO

DAO(Decentralized autonomous Organization:分散型自立組織)とは、特定の管理者などが存在せずとも事業やプロジェクトを推進できる組織を表します。DAOの代表的な例としては仮想通貨のビットコインが挙げられます。

NFT

NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)とは、ブロックチェーン技術により「世界中で唯一のモノ」を証明する仕組みです。私たちが普段扱うデータは簡単にコピーが可能ですが、NFTはそんなデータの「唯一性」を証明するための技術です。

DeFi

DeFi(Decentralized Finance:分散型金融)とは、ブロックチェーン技術によって構築された金融サービスの総称です。銀行などの金融機関を通さず、個人間で送金することなどが実現できます。

Web3.0はブロックチェーン技術によって実現する「分散型インターネット」を表す概念です。現代はWeb2.0の時代であり、セキュリティやプライバシーの問題などを解決できるとして注目を集めています。

いまは法整備が整っていない、専門知識が求められるなどの課題がありますが、今後はWeb2.0のように誰もが当たり前のように使う時代が来ると考えられます。1990年代から普及したインターネットは凄まじい速さで進化を遂げてきました。同様に、Web3.0への進化もそう遠くない将来に訪れるでしょう。

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