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従業員エンゲージメントと心理的安全性のために続けてきた、従業員との対話とは(前編)

# 組織活性化

はじめに

2015年は「46.9%」。それが2021年には「59.0%」に上昇。

この数値は、当社の従業員幸福度*1です。少しずつですが着々と上昇を続けてきました。

*1:幸福度とは、毎年実施する従業員サーベイの幸福度に関する14の設問に対する肯定的回答の平均値のこと。

いま急速に日本の働き方は進化しています。その中で、注目されているのが「従業員エンゲージメント」と「心理的安全性」です。当社も、従業員エンゲージメントの向上と心理的安全性の確保のためにさまざまな取り組みをしています。自社開発の仮想オフィスも、数々の取り組みの1つです。それらが従業員幸福度の上昇に役立っていると私たちは考えています。活動の内容は、規模の大小も性質もさまざまですが、常に大切にしてきたものがあります。

それは、従業員との対話です。まず従業員を知ることに尽力してきました。

多くの施策の中から、今回は私たちが重視してきた“対話”というキーワードに絞り、従業員エンゲージメントの向上や心理的安全性の確保に役立ったと考える具体的な施策をご紹介します。

対話の歴史は、8年前にはじまった

私たちが対話を重視するようになったのは、従業員エンゲージメントや心理的安全性という言葉をよく聞くようになった最近のことではありません。2015年1月にグループ内の2社が合併し、日立ソリューションズ・クリエイトとして誕生した頃からです。

きっかけは当時の社長、西條洋の危機感でした。一気に3,000人規模の組織に膨れ上がり、「これでは従業員の声が聞こえなくなる」と危惧したのです。また合併当初は、それぞれの社風や背景をもつ2社の従業員の間に、一体感を醸成することも会社として重要な課題でした。

西條の号令のもと、オープンな風通しのよい組織を築くために、積極的に従業員の声を聞く、対話による交流を重視する土壌が生まれたのです。では、対話を活用した施策、もしくは対話自体を活性化させる目的の施策などを時系列でご紹介します。

従業員と経営層との直接対話。タウンホールミーティング

西條の想いをストレートに形にしたのが、タウンホールミーティングです。2019年3月に西條は退任。後任の竹田広光が、西條の想いを引き継ぎました。社長や常務など経営層と従業員が直接対話できる機会として2019年4月にスタート。現在も継続中です。

ディスカッションや質疑応答の時間は1時間程度。「会社・事業方針」「働き方」「人財育成・教育」「採用・シニア活用」「福利厚生・制度」「その他」の6つのテーマに分け、参加者の質問に経営層が答えます。事業方針などでは、会社の方向性や経営状態などカタい質問も多いですが、その他の中には、「幹部ならではの苦労は?」など経営層の個人的な人柄が見えるような質問もあります。

もう少し具体的にいうと、2022年度のある回では当日42問の質疑応答がなされ、時間切れになった14問もすべて後日書面で回答されました。この年38回のタウンホールミーティングが開催され、500名近い従業員が参加しています。

声を聞くための従業員サーベイも当社は合併当時から積極的に実施しています。従業員幸福度のように毎年、計測している定例サーベイもあれば、その時々の必要な課題に合わせておこなうものもあります。いまや何か問題があれば、「まず従業員の声を聞き、実態を明らかにして分析する」という手法は、当社の問題解決の基本になっているといえるかもしれません。

従業員同士の対話から、従業員の強みや活躍を知る

当社は、会社と従業員だけではなく、従業員同士の対話も促進しています。さらにその対話を通して、会社が従業員の強みや活躍を知る機会にもなっています。

強みカード交換(2015年)

自分の強みを書いたカードを従業員同士で交換する活動。個人の強みを知ることで、会社全体の強みを認識するという目的を、従業員同士のカードを使った対話で達成しました。

労働組合の設立(2016年)

まさに従業員との対話の場として、従業員の有志が中心となって労働組合を設立。

「いいね!」カード(2016年)

よい変化を起こす行動をした人に、従業員同士が「いいね!」カードを渡す活動。前年の強みカード交換と同様に、従業員間の対話を促進。年度末には、カードを最も多くもらった人、最も多くあげた人の両方を社内表彰。

従業員を支えるご家族との対話の機会もつくる

さらに対話の対象者は拡がります。従業員を支えているご家族との対話も重要だと考えています。

社長からご家族への手紙

働き方改革を実現する際に、社長からご家族へ手紙を郵送。ご家族にも、会社がやろうと思っていることを伝えるため。もちろん、ご家族からの声も受け取る覚悟です。実際に耳の痛いご意見もありましたが、真摯に受け止め、従業員の幸福を考え対応策につなげました。けっして一方的ではなく、双方向の対話が基本です。

ファミリーデー(2017年〜)

従業員のご家族を対象とした職場見学会。ご家族が会社を知り、身近に感じてもらう目的で、本社・関西地区・中部地区・北陸地区の4カ所で開催。2017年以降、恒例のイベントに。

スタンプラリーや当社キャラクター「くりえいとん」のUFOキャッチャーなどお子様も楽しめるプログラムを用意。4カ所をテレビ会議システムでつないだクイズ大会など、拠点間の対話も促進しました。

参加したお子様からは「父ちゃんのしごとすがたがみれてよかったです」「思っていたより職場が広くて驚いた」などの声も届いています。

SportsFestival(2017年〜)

日立ソリューションズグループが主催する年1回のスポーツフェスティバル。従業員とそのご家族が参加の対象。

「くりえいとん」からの
クリスマスカード・暑中見舞い(2019年〜)

「くりえいとん」から、従業員のお子様やお孫様宛のクリスマスカードを送付。お喜びになったお子様からクリスマスカードを持つ笑顔の写真が届いたことも。また抽選付き暑中見舞いを、従業員に送付しています。

おわりに

ここまでご紹介したのは合併から5年間の“対話”の施策です。

ちょうど5年目、「従業員の幸福」を追求する中で「従業員エンゲージメント」というキーワードがではじめます。目前にコロナ禍を控えた2019年のことでした。

世の中全体が一気にテレワークに移行し、心理的安全性の確保が重要な課題になります。あらためて対話の重要性が浮き彫りになったのです。コロナ禍移行の施策については、後編で詳しくお話します。

当社人事総務部門の、従業員エンゲージメントの向上という成果を生んだ8年間の全貌は以下の資料でご紹介しています。

人事総務部門が歩んだ試行錯誤の8年間

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さらに従業員エンゲージメントにつながる働き方改革を実現した21の施策については、こちらからご覧下さい。

働き方改革を実現した、本気の施策21

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