ページの本文へ

Hitachi
お問い合わせお問い合わせ

IoT

IoTデバイスのセキュリティ脅威と対策

業務の効率化や生産性の向上が期待できるとして、さまざまな業界でIoTの活用が進んでいます。IoTデバイスはネットワーク(インターネット)に接続することから、セキュリティ対策が欠かせません。IoTデバイスのセキュリティ対策として、どのようなことが考えられるのでしょうか。
この記事では、IoTデバイスのセキュリティの脅威と併せて、政府が定めたIoTセキュリティガイドラインを基に対策方法を解説します。

  1. IoTデバイスのセキュリティ脅威
  2. 政府が定めた「IoTセキュリティガイドライン」
  3. IoTデバイスのセキュリティ対策

IoTデバイスのセキュリティ脅威

さまざまなモノをネットワークに接続し、相互に情報をやり取りできるようにすることを指すIoTでは、主に小型デバイスを中心としたIoTデバイスを用います。その際に注意すべき点がIoTデバイスのセキュリティ対策です。

IoTデバイスもパソコンやスマートフォンと同じようにサイバー攻撃の対象になり得ます。IoTデバイスを直接攻撃し、機器を制御できないようにしたり、情報を盗んだりする攻撃が考えられるでしょう。

また、IoTデバイスを攻撃の踏み台にし、情報を取りまとめるサーバーを攻撃することも考えられます。IoTデバイスもネットワークに接続する以上、セキュリティ対策は必要不可欠です。

政府が定めた「IoTセキュリティガイドライン」

IoTは私たちのこれからの生活にとってなくてはならないものです。IoTの普及にともない、政府は「IoTセキュリティガイドライン」を公開しました。

IoTセキュリティガイドラインは、IoTの性質を理解した上で具体的な脅威の事例や特有の性質を踏まえたセキュリティ対策の必要性について語られています。IoTセキュリティガイドラインでは、対策の指針として次の5つが挙げられています。

  1. IoTの性質を考慮した基本方針を定める
  2. IoTのリスクを認識する
  3. 守るべきものを守る設計を考える
  4. ネットワーク上での対策を考える
  5. 安全安心な状態を維持し、情報発信・共有を行う

IoTではさまざまなモノ(機器)が相互にネットワークに接続することで、セキュリティリスクが新たに発生します。例えば、適切なセキュリティ対策を施していない世界中のWebカメラが無断で公開されてしまう事例もありました。

これは、IoTの性質やリスクを認識しておらず、対策が取れていないために発生した事例です。IoTの活用によってネットワーク上にどのような情報が流れ、何を守るべきかをしっかりと明確にした上で対策を取る必要があります。

より詳しく知りたい方は、「IoTセキュリティガイドライン」をご確認ください。

IoTデバイスのセキュリティ対策

IoTデバイスのセキュリティ対策は、主に次のような流れで実施します。

  • 現状調査と方針の策定
  • 調査結果を基にしたリスクの想定
  • 対策を検討し実施
  • 実施後も継続的な状況把握、対策強化を行う

まずは、どのような機器がネットワークに接続されており、どのような情報をやり取りしているのかを把握することが重要です。そのうえで、具体的にどのようなセキュリティリスクがあるかを検討して対策します。

IoTを取り巻く環境は変化し続けており、サイバー攻撃も多様性を増していることから、対策実施後も継続的に状況を把握し、対策を強化する必要があります。

より具体的な対策方法としては、次の4点が挙げられます。

  • IoTデバイスの動作記録を残す
  • 機能や用途に応じたネットワーク接続を行なう
  • 初期設定のまま利用しない
  • 認証機能を導入する

IoTデバイスの動作記録をログとして保存しておけば、有事の際に対応がしやすくなるだけでなく、日々の動作と異なる動作をした場合に気づきやすくなります。また、むやみにネットワークに接続するのではなく、必要最小限の機能・用途に応じて接続することも重要です。

加えて、初期設定のまま利用しているとIDやパスワードが推測しやすく、不正アクセスのリスクが増します。認証機能がない場合はネットワーク単位で認証機能を導入し、不正アクセスを防ぐ仕組みを作ることが重要です。

私たちの生活を大きく変える可能性を秘めたIoTを安全に利用するためには、セキュリティ対策が欠かせません。日立ソリューションズ・クリエイトでは、お客さまのIoTデバイスに合わせてソフトウェアエージェントを最適な状態にカスタマイズして提供する「IoTデバイス向けセキュリティソリューション」を提供しています。

「IoTデバイスに対するサイバー攻撃の対策がわからない」「IoTデバイスを現場で管理できる運用になっていない」などの課題を抱えるお客さまに最適なソリューションです。IoTデバイスの活用を検討されている場合には、「IoTデバイス向けセキュリティソリューション」の導入も検討してみてはいかがでしょうか。

また、IoTデバイスについてもっと詳しく知りたい方は「IoTデバイスとは?種類や活用されている分野・事例など」の記事でも解説していますので、こちらもぜひご覧ください。

あわせて読みたい

関連記事はこちら

医療分野におけるウェアラブルデバイス活用

さまざまな情報がデータ化され共有される昨今、生体情報もデータ化して活用する動きが見られます。スマートフォンなどの「持ち運ぶデバイス」ではなく、「身につけるデバイ...

詳細はこちら

ウェアラブルデバイスとは? 企業の活用例も紹介

ウェアラブルデバイスとは、手首や頭など身体に装着して使用するタイプの端末を指します。ウェアラブルデバイスには複数の種類があり、装着する場所や用途などはさまざまで...

詳細はこちら

デジタルツインとは? できることやメリット・デメリットを解説

IoTやAI、5Gなどの普及とともに注目されるようになってきた「デジタルツイン」というワード。製造業の今後の進化を担うカギとなるテクノロジーと見なされ、他分野で...

詳細はこちら

セキュリティ・バイ・デザインの考え方やメリットについて解説

インターネットが発達し、業務・私用を問わず私たちの生活にネットワーク接続はなくてはならないものとなりました。加えて、近年ではIoTの普及もあり、情報セキュリティ...

詳細はこちら

ビッグデータとは? AIやIoTとの関係も合わせて解説

近年、IoTやAIなどの技術の普及により、さまざまなデータの活用が注目されています。そのなかで、ひときわ聞く機会が増えた用語として「ビッグデータ」が挙げられるで...

詳細はこちら

IoTデバイスとは? 種類や活用されている分野・事例など

あらゆるモノをネットワークに接続するIoTは、さまざまな業種で導入が進んでいます。IoTを実現するためのデバイスである「IoTデバイス」にもさまざまな種類があり...

詳細はこちら

スマートホスピタルとは? 医療業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)

医療業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)といえるスマートホスピタルが、実現に向けて動き出しています。病院などの医療施設は近い将来、いま以上に高度な医療...

詳細はこちら

「仮想化」とは何か? 仕組みやメリット・デメリットなど

仮想化技術を取り入れてリソースの無駄を省き、コスト削減やセキュリティ強化も実現しているという企業が増えています。今回は、サーバー、デスクトップ、ストレージという...

詳細はこちら

スマートファクトリーとは? メリット・デメリットや今後の展望など

グローバル競争にさらされる製造業にとって、スマートファクトリーの導入は必須であり急務の課題ともいわれています。スマートファクトリーという用語の概要、メリットとデ...

詳細はこちら

どのような被害が発生しているのか? IoTのサイバー攻撃事例

2010年代半ば頃からIoT機器を標的としたサイバー攻撃が発生するようになっています。IoT機器へのサイバー攻撃はどのような被害をもたらすのか、そしてそのような...

詳細はこちら

品質管理徹底のための製造業のトレーサビリティ

さまざまな業界で導入が進んでいるトレーサビリティは、製造業においても商品の品質管理や顧客との信頼性構築のために不可欠なものといわれています。トレーサビリティとは...

詳細はこちら

RFIDとは? 仕組みやメリット・デメリットを解説

電波を使った通信によってタグに格納されたID情報を非接触で読み取る「RFID」。今、その用途が広がりを見せ、業務効率化の推進や新サービスの創出などに活用されつつ...

詳細はこちら

医療のIoT「IoMT」の展望と活用事例

あらゆるモノをインターネットに接続し、ネットワークを介して情報を共有する「IoT」。医療分野では「IoMT(Internet of Medical Things...

詳細はこちら

IoEとは? その概要とIoTとの違いなど

近未来のテクノロジーとして注目されている「IoE」は、従来のIoTを発展させた概念として世界的に注目されています。ここではIoEの概要やIoTとの違い、実際の導...

詳細はこちら

トレーサビリティとは? 重視される業界と技術について解説

物流や製造などの業種では、製品の品質向上や安全性の確保のために「トレーサビリティ」と呼ばれる技術が導入されはじめています。ここでは、トレーサビリティの概要と重視...

詳細はこちら

無線モジュールとは? IoT機器に組み込むメリットと注意点

多くのIoT機器が備えている無線通信機能。しかし、IoT機器の開発とあわせて無線回路をチューニングし、無線を可能にするソフトウェアを新規設計するには専門的なノウ...

詳細はこちら

IoTと5Gを組み合わせるメリットとは?

IoTと5G、この2つはしばしば同時に語られることの多い技術です。両者を組み合わせるとどのようなメリットが生まれるのでしょうか。IoTと5Gの関係性や、今後、両...

詳細はこちら

IoTプラットフォームとは? 概要や選び方を解説

IoT(モノのインターネット)は急速に進化し続けています。IoTプラットフォームを提供する国内外のベンダーも増え、企業がIoTを導入し活用しようと考えたときのハ...

詳細はこちら

IoTで活用されるセンサーとは? 種類や特長を徹底解説

IoTには実に豊富な種類のセンサーが利用されています。対象物の動きや変化を検知して何らかのアクションを起こすことは、IoTの重要な機能の一つです。けれども、では...

詳細はこちら

予防保全とは? IoT活用で実現できること

工場の生産ラインで使用する機械設備の故障を事前に予測し、計画的に点検や部品交換などを行うのが「予防保全」と呼ばれる保全方法です。そしてIoT時代を迎えたいま、予...

詳細はこちら

IoT時代のキーテクノロジー「エッジコンピューティング」とは?

膨大なデータが行き交うIoT時代において、従来のクラウドコンピューティングに加えてその必要性が高まっているのが「エッジコンピューティング」です。エッジコンピュー...

詳細はこちら

製造業に大きな変化をもたらすIIoT(インダストリアルIoT)とは

IoTが世間で注目される一方で、産業界において非常に重要な意味を持つ概念として捉えられているのが「IIoT」です。IIoTの概要や、IIoTが製造業に対してもた...

詳細はこちら

IoTとm2mの違いとは? 基本をしっかり押さえよう

ここ数年、IoTという言葉はニュースなどで見かける機会が増え、急速に世の中に広まりました。では、M2Mについてはどうでしょうか。M2Mの概要を知ると、IoTとの...

詳細はこちら

製造業でIoTを活用する際に大切なセキュリティ対策

IoTを工場に導入して成功している事例が増えています。しかし、その際に注意しなければならないのがIoTを活用したシステムに対するセキュリティ対策です。どのような...

詳細はこちら

IoTのメリットと分野別の活用事例

IoTは私たちにどんなメリットをもたらし、どんな分野で活用され、今後どのように発展していくのでしょうか。今回はIoTについて、分野別の活用事例を中心にご紹介しま...

詳細はこちら

日本の産業を支えるIT・ICT・IoTの違いとは?

IT、ICT、IoT……いずれも日本の産業を支える技術分野を表す重要な言葉です。これらの用語について大まかには意味を理解できていても、それぞれの違いや関わり合い...

詳細はこちら

インダストリー4.0とは? IoTとの違いについても解説

「インダストリー4.0」は、IoTとも関連性が高く、日本における今後のものづくりの方向性を左右する重要な用語と言われています。インダストリー4.0とは何なのか、...

詳細はこちら