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何を実現できたのか? RPA活用事例

オフィス業務における定型的な作業を自動化できるRPAに注目が集まっています。RPAで何ができるのか、RPAの概要と活用するメリット、活用事例についてご紹介していきます。

  1. RPAとは
  2. さまざまな業界・部門におけるRPA活用事例
  3. RPA活用のメリット

RPAとは

RPA(Robotic Process Automation)とは、コンピューターを使用した定型的な作業を人間に代わってソフトウェアロボットが行うことで、デスクワークにおける業務効率化を図る技術、およびその概念やツールを指す言葉です。少子高齢化による労働人口減少の対策として有効であると、注目されています。

RPAで自動化が可能なのは、バックオフィス業務などの手順やルールが明確な業務が中心です。また処理件数が数千に達するような大量業務に向き、紙面データやWebサイトからの転記、データ収集と分析、システムの監視、電話やメールへの自動返信といったことが得意分野です。

RPAのロボットは人間と同じようにアプリケーションを起動し、データベースにアクセスし、ファイルやフォルダを操作し、必要な情報をコピー&ペーストし、新しいファイルに書き出すことができます。人間と同じように考えるわけではありませんが、人間と同じ作業(の一部)をこなすことが可能なわけです。

さまざまな業界・部門におけるRPA活用事例

ここからはRPAがどのような業界・業種や部門で活用されているのか、事例を挙げながら紹介していきます。

【業界別】製造業におけるRPA活用事例

製造業では受注、在庫管理、出荷、会計処理などのさまざまなプロセスでRPAが活用されています。例えば、取引先からの発注メールを受信し、その内容を基幹システムへ入力、出荷依頼を送信するといった一連の作業をRPAによって自動化することが可能です。

製造業にはバックオフィス業務が多く、その大半をRPAに担わせることができるでしょう。売上計上や納品書などの作成業務をRPAに代行させている事例もあります。

【業界別】金融機関におけるRPA活用事例

金融機関は早くからRPAを導入してきた業種の一つです。同じ内容を複数のシステムに入力する転記作業、振込・送金処理などにかかわる事務作業、各種書類の作成などにRPAが活用され、実績を上げています。また、手書きの申込書などをはじめとする紙帳票をデジタルデータ化するシステムなどにもRPAが使われています。

【業界別】士業におけるRPA活用事例

税理士や行政書士、社会保険労務士などの士業の業務では、さまざまな書類を作成する必要があります。例えば、不動産の登記手続きや相続手続き、裁判所への提出書類などが挙げられるでしょう。情報の入力や転記、公文書のダウンロードなどの多くのルーチン作業において、RPAを使った自動化によって効率化している事例が多く見られます。Web上の行政データなどを自動的に取得するような「Webスクレイピング」機能を持つRPAもあり、データ取得の自動化を実現している事例もあります。

【業界別】物流業界におけるRPA活用事例

物流業界におけるRPAの活用事例としては、出荷問い合わせ作業の自動化や倉庫の在庫情報の共有などが挙げられます。
出荷問い合わせ作業の自動化では、RPAによって複数存在する送り状の発行システムを統合し、出荷情報を自動的にメールで連絡するシステムを構築した事例があります。

また、倉庫の在庫情報の共有では、棚卸し情報のフォーマットが倉庫ごとに異なることにより、それぞれの情報を集計してシステムに入力する対応の負担が大きいことが課題でした。フォーマットを一つに統合するには多くのコストがかかることから、業務を洗い出してフォーマットの数を減らし、RPAを導入することで業務改善に成功しています。

【業界別】建築業におけるRPA活用事例

建築業では、バックオフィス業務やデータベース管理、許可番号の自動取得などにRPAが活用されています。

バックオフィス業務では、注文データから自動的に書類を作成してメールで送付する、という作業の自動化が可能です。
図面や作業記録などをデータベースで管理する業務も、RPAによって自動化できます。
また、「Webスクレイピング」機能を使って国土交通省のWebサイトから発注先の企業名を検索し、自動的に建設業の許可番号を取得するような活用事例もあります。

【業界別】自治体におけるRPA活用事例

総務省発表の「自治体におけるAI・RPA活用促進」によると全国の自治体におけるRPAの導入状況は「導入済み」「導入を検討中」が9割前後となっており、積極的に活用が進められていることがわかります。加えて、職員の作業は最大9割低減できるといわれていることからも、積極的に導入が進められている業界の一つです。

公共料金の支払業務や健康診断に関する業務、現況調査資料の作成業務などにRPAは活用されており、大きな効果が得られています。公共料金の支払業務は年間100時間が50時間、健康診断に関する業務は年間200時間以上が50時間、現況調査資料の作成業務は年間2,000時間が1,000時間になった、というような活用事例が報告されています。

【部門別】経理部門におけるRPA活用事例

経理部門で必須となる伝票データの入力や入金データの取り込み、帳簿作成、連結処理、入金・支払消込などの事務作業はRPAと親和性が高く、実際にさまざまな企業でRPAの導入が進んでいます。特に、経理の中でも財務会計にはRPAによって自動化できる定型的な業務が多いといえます。

【部門別】人事・総務部門におけるRPA活用事例

人事や総務も定型業務が多い管理部門です。活用事例としては社員への残業アラートメールの送信、勤怠管理などのためのデータ収集業務、給与計算業務などが挙げられます。人事・総務部門ではより複雑な作業もRPAによって自動化しようという試みが進められていて、今後ますますRPAの活用が浸透していくことが期待されています。

【部門別】営業部門におけるRPA活用事例

営業部門では見積書や請求書の作成、営業レポートの作成、顧客へのメール作成などの多くの業務がRPAによって効率化できます。特に資料の作成には多くの時間が取られている場合が多く、資料作成を自動化することで営業活動に注力できるようになるでしょう。期日に応じてRPAが動作するようになっていれば、見積書や請求書などの作成漏れも防げます。

その他にも、情報収集やデータ解析をRPAによって自動化する活用事例もあり、営業部門においてもRPA活用における効果が期待されています。

RPA活用のメリット

RPAを活用するメリットを、導入企業の側から見てみましょう。
ホワイトカラー業務の中には、一つひとつの作業は単純ではあるものの、条件によって対応を変える必要があり、しかも膨大な回数、繰り返し行わなければならない作業、というのがあります。人間がやるには煩雑かつ面倒で、数をこなしているうちに必ずミスが起きるといった類の作業です。

そうした作業をRPAに任せられれば、企業内における業務効率化につながります。組織としての処理能力、生産性も向上します。人間はそれらの作業以外の業務、フロントオフィス業務や創造性を要する業務、属人性が求められる業務に専念できるので、組織全体の仕事の質も高くなります。

もちろんRPAはコスト削減にも大きく寄与します。RPAによって業務を最適化できれば、マンパワーのみに頼る場合と比べて人件費の大幅な削減も期待できるといわれています。
その他、RPAにはヒューマンエラーの防止、人間関係などに起因するトラブルの回避、コンプライアンス違反の抑制といったメリットももたらします。

一方、RPAにも弱点はあります。例えば、RPAのロボットに間違った指示を出せば、ロボットは何度でも間違った指示を忠実に実行し続けます。しかし、RPAを適切な業務に正しく適用できれば企業は多くの恩恵を受け、売上の最大化につなげることができるでしょう。

RPAの活用は金融機関から始まって製造業やその他の業界・業種へと広がり、中堅・中小企業でも導入されています。RPAによって自社の何が変わるのか、今後を見据えた効果的な活用方法について検討してみてはいかがでしょうか。
ただし、RPAは導入すれば即座に効果発揮するものではありません。RPA導入において注意すべき点も存在するため、こちらの記事も併せてご覧ください。

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