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クラウドAIとは？ メリット・デメリットやエッジAIとの違いなど
ビジネスの現場でAI活用が加速する中、「クラウドAI」という言葉をよく耳にするようになりました。膨大なデータを処理し、高度な分析を行うクラウドAIは、多くの企業にとって重要な選択肢となっています。
この記事では、クラウドAIの基本からメリット・デメリットとあわせて、エッジAIとの違いについて解説します。
クラウドAIとは
インターネットを介したクラウド基盤上でAIモデルを稼働・制御する仕組みが、「クラウドAI」と呼ばれています。クラウドAIはクラウドサービスを利用してデータの収集・処理・分析を行います。クラウドベースの人工知能を利用することで、企業は膨大なデータを効率よく分析し、AIモデルを柔軟に展開・運用することが可能です。
クラウドAIの仕組み
クラウドAIの最大の特徴は、データ処理をすべてクラウド上で行う点にあります。ユーザー側ではデータの送信と結果の受信のみを担当し、複雑な計算や分析はすべてクラウド上で実行されます。ユーザーがデータをクラウドに送信すると、クラウド上の高性能なサーバーでAIモデルによる処理が行われ、その結果がユーザーに返送される仕組みです。
クラウドAIのメリット
クラウドAIを利用することにはさまざまなメリットがあります。ここでは、主要な4つのメリットについて解説するため、一つずつ見ていきましょう。
大規模データ処理能力
クラウドAIの最大のメリットは、大規模なデータを効率的に処理できる点です。一般的にAIを活用するためには、大量のデータ処理のために大容量で高性能なサーバーが必要とされます。クラウドAIでは、サービスプロバイダー側で環境が用意されており、大規模なデータ処理にも対応できます。
高度な計算・判断能力
クラウドAIによって、大規模なデータセットや複雑なアルゴリズムを必要とする場合でも、効率的かつ迅速に結果を得られます。例えば、自然言語処理や画像認識、音声解析などの高度なAI技術を活用したアプリケーション開発であっても、クラウドAIサービスを利用することで比較的容易に実現できます。
専用ハードウェアの不要性
データの蓄積から分析までクラウド上で行われるため、大規模なデータセンターや専用のハードウェアを用意する必要がありません。仮に、自社でAI専用のハードウェアを導入・維持しようとすると初期投資だけでなく、電力コストや冷却設備、保守管理などの多大な運用コストも考慮する必要があります。これらを考慮する必要がない点は、クラウドAIを導入する大きなメリットといえるでしょう。
スモールスタートのたやすさ
クラウドAIでは必要な分だけリソースを利用できるため、初期費用を抑えてAI活用を始められます。特に中小企業やスタートアップ企業にとって、大きな初期投資なしにAI技術を活用できる点は魅力的でしょう。必要に応じて段階的に機能を拡張することも可能であるため、ビジネスニーズの変化に合わせて柔軟にAI活用の幅を広げていくことも可能です。
クラウドAIのデメリット
クラウドAIには多くのメリットがある一方で、課題もいくつか存在します。クラウドAIの最大のデメリットは、リアルタイム処理の遅延です。クラウドAIはインターネット経由で処理するため、どうしてもタイムラグが生じてしまいます。また、高解像度の映像データを扱うような用途では、通信コストも大きくなります。その他にも、インターネットを介してデータをやり取りする性質上、セキュリティとプライバシーの問題もあります。不正アクセスや情報漏えいといったセキュリティリスクもあるため、利用する際には十分なセキュリティ対策が必要です。
クラウドAIとエッジAIとの違い
「エッジAI」とは、エッジ（端末側）に搭載されているAIを意味します。クラウドAIとの違いは、データの分析・処理を行う場所です。クラウドAIではデータの分析をクラウド環境で行いますが、エッジAIは端末側で行います。この違いにより、リアルタイム性やセキュリティ面での違いが生じます。
前述のとおり、クラウドAIはインターネット経由で処理するためタイムラグが生じますが、エッジAIは端末内で処理を行うためリアルタイムでの処理が可能です。そのため、即応性が求められるアプリケーションでは、エッジAIが選ばれることが多くなっています。セキュリティの面でも、エッジAIはデータ管理を端末内で行うため、クラウドAIに比べると不正アクセスや情報漏えいの危険性は低くなります。
エッジAIについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
→「エッジAIとは？ 人工知能が産業にもたらす可能性」
クラウドAIの可能性と導入検討ポイント
クラウドAIはクラウド上でAIモデルを運用・管理する技術であり、大規模なデータ処理能力やスモールスタートのたやすさなどが大きなメリットです。一方で、リアルタイム処理の遅延やセキュリティ・プライバシーの問題などのデメリットも存在します。クラウドAIと対を成す存在としてエッジAIが挙げられますが、両者はお互いの苦手とする部分を補い合う存在といえるでしょう。
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