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テクノロジー

汎用人工知能とは? 特長や活用例など分かりやすく解説

生成AIの登場によりAIの可能性が一段と広がりつつある近年、注目を集めているものが「汎用人工知能」です。汎用人工知能は従来の特化型人工知能と異なり、より高度で汎用的なAI活用を実現できる可能性があります。
この記事では、汎用人工知能の概要から、特長や活用例について解説します。

  1. 汎用人工知能とは?
  2. 汎用人工知能の特長
  3. 汎用人工知能の企業における活用例
  4. 汎用人工知能に注目していきましょう

汎用人工知能とは?

はじめに、汎用人工知能の概要と併せて、特化型人工知能との違いについて見ていきましょう。

汎用人工知能の定義

汎用人工知能は、AI技術の中でも特に高度な形態として位置づけられています。人間と同等の知能を持ち、さまざまな問題に柔軟に対応できる「汎用知能」を再現したAIです。特定のタスクだけでなく、未知の課題にも応用できる汎用性と適応力を持つことが大きな特長です。

汎用人工知能と特化型人工知能の違い

汎用人工知能と特化型人工知能の大きな違いは、その適用範囲と能力の汎用性にあります。
特化型人工知能は、特定の専門分野に限定された作業において、人間よりも優れたパフォーマンスを発揮できるよう設計されたAIです。
対して、汎用人工知能は特定の分野に限らず、さまざまなタスクを理解し、実行する能力を持ちます。基本的に特化型人工知能は特定の領域に限定されているのに対し、汎用型人工知能は自己学習と自己進化が可能で、さまざまな状況に適応できる点が違いです。

汎用人工知能の特長

汎用人工知能の特長として特に重要なものが「自律的な学習能力と適応性」と「複数タスクへの対応力」です。これらの特長について解説します。

自律的な学習能力と適応性

汎用人工知能は、新たなデータを即座に習得する学習能力と、状況の変化に柔軟に対応できる適応力を兼ね備えています。そのため、これまで直面したことのない問題に対しても、素早く有効な対処法を創出可能です。
さらに、経験したことのない状況でも実験と検証を重ねて知識を獲得し、その体験を記憶しながら能力を向上させる機能を持っています。

複数のタスクへの対応力

汎用人工知能は、一つのシステムで複数のタスクを実行できます。例えば、画像や動画から文章を生成したり、音声を聞いて内容を要約したりできます。
これは、特化型人工知能(マルチモーダルに対応した生成AI)でも、各種サービスを組み合わせることで同様の処理を実現可能です。ただし、汎用人工知能は単一のシステム・サービスでこれらを実現できる汎用性・対応力の高さが異なります。

汎用人工知能の企業における活用例

2025年現在、厳密にいうと完全な汎用人工知能は実用化されていません。しかし、広義には特化型人工知能(マルチモーダルな生成AI)は汎用人工知能の一部特性を持っているといえます。ここでは、マルチモーダルなAIの企業における活用例を紹介します。

業務自動化や効率化

現場映像活用サービスを提供する企業では、生成AIをもとに自社向けのAIアシスタントサービスを開発しました。社員は質疑応答や文書作成、翻訳、要約などの作業で、業務効率化ツールとしてAIを活用しています。
特に営業部門では、顧客対応やあいさつ文作成などに活用されており、1年で全社員の労働時間を約18万時間削減することに成功しています。

顧客対応やサービス向上への活用

生成AIをサポートセンター業務に活用すれば、顧客対応要員を削減しながらサービス品質を維持でき、慢性的な人手不足対策と経費削減の両立が期待できます。
近年の生成AIは質問内容を判断し、膨大なデータの中から適切な答えを導き出してくれるため、顧客一人ひとりの解決したい悩みに応じた対応可能です。多言語にも対応しており、24時間365日稼働できるため、顧客対応のクオリティを上げるとともに、企業イメージの向上も期待できます。

データ分析と意思決定支援

最新のAIエージェントは、膨大かつ複雑なデータ群をリアルタイムで分析・処理することで、高度な予測モデルを構築してビジネスにおけるさまざまな意思決定をサポートしています。
例えば、需要予測、在庫管理、物流の最適化など、複雑な予測分析が必要なプロセスを効率化しています。その他にも、AIは顧客の購買履歴やサイト上の行動、動画コンテンツの視聴傾向といった多様なデータをもとに行動特性を抽出し、それぞれのユーザーに合わせた最適なプロモーションや提案を実行できます。

汎用人工知能に注目していきましょう

汎用人工知能は人間と同等の知能を持ち、さまざまな問題に柔軟に対応できる次世代のAI技術です。特化型人工知能が特定のタスクに特化しているのに対し、汎用人工知能は複数のタスクに対応でき、自律的に学習して環境に適応する能力を持っています。

2025年現在では完全な汎用人工知能は実用化されていませんが、特化型人工知能(マルチモーダルな生成AI)は汎用人工知能の一部特性を持っています。生成AIの業務活用が積極的に進む中、汎用人工知能が実用化される未来はそう遠くないでしょう。

マルチモーダルAIについては以下の記事で詳しく説明しています。ぜひご一読ください。
マルチモーダルAIとは? 仕組みや活用事例などを解説

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