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テクノロジー

ノーコード開発とは? メリット・デメリットと選ぶときのポイントなど

2020年から小中学校・高校で段階的にプログラミング教育の必修化が進んだように、いまやプログラミングは一般教養として必要とされてきています。しかし、プログラミングは難解で習得は非常に困難です。そんなプログラミングの専門知識を必要とせず、誰もが開発できる手法として「ノーコード開発」が注目されています。

この記事では、ノーコード開発の概要から、注目される理由やメリット・デメリット、ツールやプラットフォームを選ぶ際のポイントまで解説します。

  1. ノーコード開発とは
  2. ノーコード開発が注目される背景
  3. ノーコード開発のメリット
  4. ノーコード開発のデメリット
  5. ノーコード開発ツール・プラットフォームを選ぶときのポイント

ノーコード開発とは

ノーコード開発とは、プログラミングに必須の「コーディング」をすることなく、画面操作だけで開発を行う手法です。通常であれば呪文のような命令を書き連ねた「ソースコード」を作成する必要がありますが、ノーコード開発では不要です。

あらかじめ用意された命令を、レゴブロックのように画面上からマウス操作で組み合わせてプログラミングを行います。そのため、直感的に理解しやすく専門的な知識がなくとも誰もがソフトウェア、Webサービスの開発が行えます。

ノーコード開発とローコード開発の違い

ノーコード開発と似た言葉に「ローコード開発」があります。ローコード開発とは、できる限りコードを書かずに短期間でソフトウェアを開発する手法です。ノーコード開発と通常のプログラミングを用いた開発の中間に位置する存在であり、双方のメリットを活かせる開発手法となっています。

ノーコード開発とローコード開発の違いは、名称のとおり「一切コードを書く必要がない」か「コードをできるだけ書かない」かの違いです。ローコード開発についてはこちらの記事でも詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

ローコード開発とは? ほかの開発方法との違いとメリット・デメリット

ノーコード開発が注目される背景

ノーコード開発が注目される背景としては、主に次のような点が挙げられます。

  • IT人材の不足
  • クラウドサービスの普及
  • 環境の多様化、複雑化

現在、多くの企業でIT人材が不足しています。新しいシステムやサービスを開発するにしても、専門知識を有するIT人材が不足しているため対応できない、というケースは少なくありません。そんななかで、ノーコード開発は専門知識がなくとも開発が行えるため、IT人材でなくともシステムやサービスを開発することが可能です。

また、クラウドサービスが普及したことでノーコード開発のサービスも多く登場しました。ノーコード開発のための下地が整い、誰もが気軽に開発できるようになったことも大きな要因の一つでしょう。

そのほかには、必要とされるシステムやサービスが多様化・複雑化したことで、より速く・柔軟に開発を行うことが求められるようになりました。従来の開発手法では多くの時間と人員が必要ですが、ノーコード開発であれば省人化の上、スピーディーな開発が実現可能です。

ノーコード開発のメリット

ノーコード開発のメリットは、主に次の3点です。

プログラミングの知識が不要

コーディングが必要なく、プログラミング言語ごとの記述を理解する必要がありません。論理的な思考によって命令を積み上げることができれば良いため、プログラミングの専門知識を必要とせず開発ができる点は、大きなメリットの一つです。

開発費の削減

従来の開発手法では新たに開発するシステム・サービスに関するヒアリングから、設計、コーディング、テストと多くの時間と人員が必要でした。なかでもコーディングには専門知識が必要であり、人員を確保することも難しく多くのコストがかかります。その点、ノーコード開発では専門知識がなくとも直感的に画面上から開発を進められるため、専門企業へ外注する必要もなくなります。

開発のリードタイム短縮

コーディングには多くの時間が必要ですが、ノーコード開発であればコーディングの時間を大幅に短縮できます。開発にスピードが求められる昨今では、リードタイムを短縮できることは大きなメリットの一つです。

ノーコード開発のデメリット

さまざまなメリットがある一方で、ノーコード開発には次に挙げるようなデメリットも存在します。

開発の自由度が低い

すでに用意された命令を積み上げて開発を行うため、できることが限られています。小規模開発であれば問題ありませんが、大規模開発や柔軟性が必要なシステム・サービスの開発には向いていません。一から開発する従来の開発手法に比べて、開発の自由度が低い点はデメリットの一つです。

プラットフォームへの依存度が高い

ノーコード開発では、専用のプラットフォームを利用して開発を行います。プラットフォームごとに実装可能な命令やデザインの種類は異なり、できることもプラットフォームに大きく依存します。また、利用するプラットフォームは、いつサービスを終了するかわかりません。サービスが終了することで、開発したシステム・サービスが利用できなくなる可能性もあるため注意が必要です。

国産ツールが少なく情報も得にくい

ノーコード開発の多くは海外産であり、国産のツールはあまり多くありません。そのため、日本語の情報を得にくいというデメリットもあります。プログラミング自体が英語をもとにしたものであるため、ある程度の英語力が必要です。

ノーコード開発ツール・プラットフォームを選ぶときのポイント

ノーコード開発ツール・プラットフォームを選ぶ際には、はじめに利用用途を明確にすることが重要です。ツール・プラットフォームごとに得意とする開発の種類は異なるため、Webアプリを開発したいのか、Webサービスを開発したいのか、などを明確にした上で、用途に適したツール・プラットフォームを選択するようにしましょう。

その後、パソコンだけでなくスマートフォンなどでも操作できるか、ムダのない料金体系になっているか、日本語でサポートを受けられるか、などの点を中心に選定することをおすすめします。

ノーコード開発は、コーディングをすることなく画面操作だけで開発を行う手法です。ノーコード開発はプログラミングの知識が不要で、誰もが開発を行えるようになります。加えて、開発費の削減や開発のリード短縮などのメリットも得られるでしょう。

一方で、開発の自由度が低く、プラットフォームへの依存度の高さや国産ツールが少ないことがデメリットとして挙げられます。ノーコード開発を活用する場合には、これらのデメリットも理解した上で、ツール・プラットフォームを選択しましょう。

ノーコード開発と従来のプログラミングによる開発のメリットを活かす開発手法として、ローコード開発が存在します。日立ソリューションズ・クリエイトでは、Webアプリケーションを100%自動生成することで、短納期・高品質を実現するローコード開発ツール「WebPerformer導入ソリューション」を提供しています。

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