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テクノロジー

PLMシステムとは? 機能や導入メリット・注意点など

PLMシステムは、主に製造業を営む企業で活用されているシステムです。PLMシステムを導入することで、製品の企画から販売終了までのプロセスを管理し、利益の最大化に取り組むことができます。この記事ではPLMシステムの概要や機能、PDMとの違い、PDMシステム導入時の注意点などについて解説します。製造業に携わる方は、ぜひ参考にしてください。

  1. PLMシステムとは
  2. PLMとPDMの違い
  3. PLMシステムの機能
  4. PLMシステム導入のメリット
  5. PLMシステム導入の注意点

PLMシステムとは

PLMは「Product Lifecycle Management」の略称で、製品のライフサイクルを管理することを意味します。PLMシステムとは、PLMを実現する機能を持ったツールの総称です。

一般的に、製品は企画から設計、調達、製造、販売、廃棄まで複数のプロセスを経て取り扱われます。各プロセスで管理するべき情報は、製品の仕様や製造スケジュール、コストなどさまざまです。これらの情報を社内で一元管理し、各プロセスを効率化するためにPLMシステムが活用されます。

押さえておくべき「QCD」とは

QCDはPLMシステムと関連性の高い用語です。製造業で重視すべき3つの要素である「Quality(品質)」、「Cost(コスト)」、「Delivery(納期)」を略してQCDと呼びます。PLMシステムを導入すると、QCDのバランスを取り、改善に取り組むことが可能です。QCDの詳細については下記の記事でご確認ください。

PLMとPDMの違い

PDMとは「Product Data Management」の略称で、製品情報を管理するツールを指します。PDMでは、製品の企画・設計プロセスで必要となるCADデータやBOMデータなどを管理することが可能です。PLMとPDMは、管理対象のプロセスが異なります。PLMが企画から廃棄まで一連のプロセスを管理することに対して、PDMの管理対象はあくまでも企画・設計のプロセスのみです。

PLMシステムの機能

PLMシステムには、製品を管理するための幅広い機能が備わっています。ポートフォリオ管理機能を活用すると、自社製品の収益性や市場需要などを管理し、最適なリソース配分を考えることが可能です。また、製品に求められる要件や製品設計もPLMシステムで一元管理できます。

CADデータ管理は、PLMシステムの中でも重要性の高い機能の一つです。製品の形状やサイズなどの情報を含むCADデータを社内で共有し、業務を効率的に進められます。製造の各プロセスで使用する部品を表すBOMデータも、PLMシステムで管理することが可能です。

PLMシステムの開発スケジュール管理機能を活用すると、製品開発の各工程におけるタスクや進捗状況を確認できます。複数のチームや部署が関わっているプロジェクトでも、開発スケジュールを同じシステム上で管理できるため効率的です。

部品の調達や製造にかかるコストは、PLMシステムの原価管理機能で把握できます。自社の製品やプロジェクトに関する情報だけでなく、取引先情報もPLMシステムで管理できる対象です。

PLMシステム導入のメリット

PLMシステムの導入で企業が得られるメリットには、次のようなものがあります。

コスト削減

PLMシステムで製造の各プロセスを最適化すると、無駄な費用や工数を削減し、コストを抑えることが可能です。情報共有のミスによる手戻りや、不良品の発生を減らすことが、コスト削減につながります。

品質向上

PLMシステムの導入により、製造プロセスの改善点をいち早く発見し、品質向上に取り組むことが可能です。また、クライアントのニーズに応じた細かなカスタマイズを行いやすくなることも、PLMシステムを活用するメリットです。

生産性向上

製造業の企業で取り扱うさまざまな情報をPLMシステムで一元管理すると、情報共有の手間を省き、生産性を向上できます。資料を探したり、部門間で連絡を取り合ったりする時間を短縮することが可能です。

PLMシステム導入の注意点

PLMシステムを導入する際は、自社に合ったシステムを選定することが重要です。CADツールやプロジェクト管理ツールなど、既存のシステムと連携できるPLMシステムを選ばないと、有効に活用できない可能性があります。外部ツールとの連携性や使いやすさを調べた上で、導入するPLMシステムを選定しましょう。

また、現場と上層部で認識を合わせておくことも重要です。上層部だけの判断でPLMシステムを導入しても、現場の実態に合っていなければ業務の効率化につながらない場合があります。現状の課題点や導入後の費用対効果を社内全体で共有した上で、PLMシステムの導入を進めましょう。

PLMシステムを導入すると、製造業における業務プロセスを一元管理できます。製品の要件やCADデータ、スケジュール、コストなどを効率的に管理することが可能です。コスト削減や品質向上、生産性向上につながることがPLM導入のメリットとして挙げられます。自社に合うPLMシステムを選定し、利益の最大化に取り組みましょう。

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