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テクノロジー

プロンプトエンジニアリングとは? プロンプトの構成や設計のポイントなど

ChatGPTをはじめとする生成AIは、いまや業務でも利用される機会が増えています。そんな生成AIを使いこなすために欠かせないものが「プロンプトエンジニアリング」です。プロンプトエンジニアリングはスキルの一種であり、今後AIを使いこなす上で重要視されることでしょう。
この記事では、そんなプロンプトエンジニアリングの概要から、プロンプトの構成、設計のポイントなどについて解説します。

  1. プロンプトエンジニアリングとは?
  2. プロンプトエンジニアリングとChatGPT
  3. プロンプトの構成
  4. プロンプト設計のポイント

プロンプトエンジニアリングとは?

プロンプトエンジニアリングとは、AIに対して適切な質問や指示(プロンプト)を与えるための技術・学問分野です。

プロンプトエンジニアリングの役割

ChatGPTなどの生成AIは、質問や指示に従って文章や画像などを生成します。このとき、AIは与えられた情報をもとに生成を行いますが、これらの情報を適切に用意することがプロンプトエンジニアリングの役割です。

プロンプトエンジニアリングの重要性

ChatGPTなどを利用したことがある方ならわかると思いますが、単純な受け答えであれば特に意識して質問や指示を作成する必要はありません。しかし、実際に自身が必要とする情報のアウトプットが定まっている場合、そのアウトプットどおりにAIに生成してもらうことは困難です。
人(指示をした人)の意図を正しくAIに伝え、適切なアウトプットを得るためにプロンプトエンジニアリングは欠かせない存在となっています。

プロンプトエンジニアリングとChatGPT

ここまでに何度か登場したChatGPTは、テキストの生成AIです。人と会話するようにチャット形式で質問・指示に回答するサービスですが、使いこなすためにプロンプトエンジニアリングは欠かせません。
プロンプトエンジニアリングを意識せずにChatGPTを利用する場合、ビジネスで活用できるようなアウトプットを得ることは難しいでしょう。しかし、プロンプトエンジニアリングによって適切な質問・指示ができれば、ChatGPTを次のように活用できます。

  • 文章の添削
  • アイデアの創出
  • マニュアルの自動作成
  • 社内ドキュメントの検索サービス

など

ChatGPTをはじめとする生成AIを活用する上で、最も難しいことは想定したアウトプットを得ることです。アウトプットの質を向上させるために、プロンプトエンジニアリングが重要になってきます。
ChatGPTの始め方や活用方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。

ChatGPTとは? 始め方や賢い活用方法などわかりやすく解説

プロンプトの構成

プロンプトはAIに与える情報(質問・指示)のことであり、主に次のように構成されます。商品説明のテキストを作成する場合を例に挙げながら、構成要素を見ていきましょう。

命令・指示

AIに対する質問・指示の内容です。AIが最終的に導き出す出力結果のもととなるものであり、生成AIを利用する上では必ず指定しなければなりません。今回の例としては「商品説明のテキストを作成する」という情報が命令・指示です。多くの場合、命令・指示だけを与えた場合には、想定するアウトプットを得られづらいといえるでしょう。

文脈・背景

AIの回答精度を高めるために、命令・指示に関する追加の情報や文脈も入力します。例えば、「500文字以内」「漢字を多用しない」「ですます調」などのように、文脈や背景に関する情報を与えます。

データの入力

さらに回答精度を高めるために、応答を求める入力や質問・条件なども入力します。商品の特徴やメリットなどの盛り込みたい内容を与えることで、AIはこれらの情報も取り込んでアウトプットしてくれます。

出力形式の指定

最後に出力形式まで指定することで、より想定通りのアウトプットを得られるようになるでしょう。「箇条書きにする」「タイトルと本文を分けて記載する」のように、出力形式まで制約を設けることでAIの回答精度が向上します。

プロンプト設計のポイント

AIから適切なアウトプットを得るためには、次のようなポイントに注意してプロンプトを作成しましょう。

シンプルなプロンプトから始める

AIは多くの情報を与えるほど回答の精度が向上しますが、適切な情報を与えることが重要です。一度に多くの情報を与える場合、適切でない情報が含まれる可能性も考えられるため、まずはシンプルなプロンプトから始めて徐々に情報を追加する方法をおすすめします。

指示を明確かつ具体的にする

ある程度曖昧な指示でも、昨今のAIはきちんと回答します。しかし、アウトプットの精度を高めるためには、指示を明確かつ具体的にすることが重要です。「具体的にどのようなアウトプットをしてほしいのか」を明確にした上で、それを達成するための具体的な情報を指示として与えます。

言い回しを変えて試行する

言葉の意味合いとしては同じ質問・指示であっても、回答結果が変わることがあります。そのため、言い回しを変えて何度も試行することがアウトプットの精度を高めるために有効です。

追加情報を与える

「指示を明確かつ具体的にする」と同様に、質問・指示に関する背景や文脈なども具体的な情報として与えることが重要です。特に、期待したアウトプットが得られなかった場合には、追加情報によって期待どおりのアウトプットになる可能性があります。

プロンプトエンジニアリングは、AIに対して適切な質問や指示(プロンプト)を与えるための技術・学術分野です。AIの業務利用が増えている昨今、よりAIの実用性を高めるためにプロンプトエンジニアリングは欠かせません。
今後、ビジネスパーソンの必須スキルになる可能性も高く、AIを使いこなす人材の重要性は高まると予想されます。そのため、この機会にプロンプトエンジニアリングへの理解を深め、ビジネスに活用してみてはいかがでしょうか。

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