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レガシーシステムとは? 問題点や解決策をわかりやすく解説

日本では多くの企業が古くからのシステムを継続的に利用しています。「遺産」とも呼ばれる「レガシーシステム」は、多くの問題をもたらすため早急に新しいシステムへの移行が必要です。レガシーシステムがもたらす問題にはどのようなものがあるのでしょうか。
この記事では、レガシーシステムの概要から問題点、対策について解説します。

  1. レガシーシステムとは
  2. レガシーシステム化の原因
  3. レガシーシステムの問題点
  4. レガシーシステムから脱却するための対策

レガシーシステムとは

レガシーシステムとは、過去の技術や仕組みで構築されている古いシステムのことを表します。構築から20年以上も経過しているシステムも多く、メインフレームなどの基幹システムとなっていることなどから使い続けられているシステムです。

レガシー(遺産)といわれるとおり、時代遅れのシステムともいえ、システムの老朽化や複雑化による運用・保守の負担・コスト増が問題視されています。2018年に公開された「DXレポート」でもレガシーシステムの存在は問題視されており、日本企業全体でレガシーシステムからの脱却が必要とされています。

レガシーシステム化の原因

レガシーシステムは、主にメインフレームと呼ばれる大型コンピューターやオフコン(オフィスコンピューター)によって構築されています。システムを構築した当時の資料がなかったり、システムについて理解している人員がいなくなっていたりすることで、新たなシステムへの移行ができず、レガシーシステム化するケースがあります。

また、例えば古いプログラミング言語であるCOBOLで作られたシステムで、COBOL技術者への属人化が課題となっていたり、長期間の運用で度重なる部分最適を実施したことで、ブラックボックス化したりすることがレガシーシステム化の原因です。

レガシーシステムの問題点

レガシーシステムは長期間の運用でシステムが複雑化し、運用・保守の負担・コスト増が問題点の一つです。それだけでなく、2018年に公開された「DXレポート」によれば、レガシーシステムを放置することでDXが実現できないだけでなく、2025年以降に毎年最大12兆円の経済損失が生じる可能性が示されています。

その他にも、DXレポートでは、多くの企業で利用されているERPの「SAP」の標準保守期限切れが当時2025年とされていたこと(2020年2月に期限の延長が発表されたため、現在は2027年が期限となったことで現在は「SAPの2027年問題」と呼ばれている)や、2025年にはIT人材不足が約43万人にまで拡大することなどの課題を挙げ、一連の課題を「2025年の崖」と称しています。

2025年の崖は一企業としてだけでなく、日本全体で取り組むべき課題といえるでしょう。

レガシーシステムから脱却するための対策

レガシーシステムから脱却するための対策としては、「レガシーモダナイゼーション」と「レガシーマイグレーション」の2つの対策が挙げられます。両者の違いは、「既存システムを活用しながら刷新する」か「完全に置き換える」かの違いです。

レガシーモダナイゼーション

レガシーモダナイゼーションは「“遺産”の“近代化”」を意味する通り、既存システムを活用しながら刷新する方式です。既存システムの変えられる部分を中心に刷新していくため、ユーザーにとっては使用感が変わらずにレガシーシステムからの脱却が行えます。

モダナイゼーションに関して詳しく知りたい方は、こちらの記事を併せてご覧ください。
モダナイゼーションとは?レガシーシステムからの脱却

レガシーマイグレーション

レガシーマイグレーションは「“遺産”の“移行”」を意味する通り、既存システムを完全に置き換える方式です。システムは最新の技術を活かして最適化され、より効率的な業務の実現が期待できます。一方で、使用感が変わることもあるため、ユーザーの意見も取り入れながら移行を進める必要があります。

レガシーマイグレーションに関して詳しく知りたい方は、こちらの記事を併せてご覧ください。
レガシーマイグレーションとは? 手法や企業における必要性について解説

レガシーシステムは、過去の技術や仕組みで構築されている「遺産」とも呼ぶべき古いシステムです。レガシーシステムの約半数は、20年以上も前に構築されています。長期間の運用によってシステムは複雑化し、運用・保守の負担・コスト増の問題だけでなく、2025年以降は毎年12兆円の経済損失が生じる可能性があることなど、多くの問題を抱えています。

レガシーシステムからの脱却は、すべての企業が取り組むべき課題です。そのための対策として、「レガシーモダナイザーション」や「レガシーマイグレーション」が挙げられます。両者の違いは、「既存システムを活用しながら刷新する」か「完全に置き換える」かの違いです。

日立ソリューションズ・クリエイトでは、レガシーシステムからの脱却を支援する「レガシーマイグレーション」サービスを提供しています。モダナイズ・マイグレーションを支援するサービスであり、豊富なノウハウをもとにワンストップでレガシーシステムからの脱却を支援します。

レガシーシステムについてお悩みの場合には、ぜひ一度お問い合わせください。

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